リクルートを世界へ導く、テキサスの救世主

知られざる、最先端グローバルIT企業の実態

リクルートの知られざる“戦略拠点”、Indeed Tokyoでは何が行われているのか?(写真は、Indeedシニア・バイス・プレジデント兼開発責任者であるダグラス・グレイ氏)

東京・恵比寿にあるIndeed(インディード)社のオフィス。一歩足を踏み入れると、日本、米国、アイルランド、オランダ、ハンガリー、フランス、シンガポール、タイ、フィリピンなど、実に多種多様な国籍を持つITエンジニアがパソコンに向かっていた。5つの言語が同時に飛び交うことさえ、ここでは普通の情景だ。

この「Indeed Tokyo」こそ、10月16日に株式上場を果たしたリクルートホールディングスの未来にとって、非常に重要な意味を持つ戦略拠点だ。リクルートが掲げる「グローバル化」「IT化」の人材戦略において欠かせない存在だ。

「エリート養成所」の実態

2012年10月、リクルートは、世界最大級の求人検索サイトを運営する米Indeedを完全子会社化した。Indeedは、日本での知名度はまだ高いとは言えないが、すでに、世界55カ国以上、28言語で展開。約1億5000万人の月間ユニークユーザー数を持つ巨大な求人検索サイトだ。北米では、Indeed経由での採用者数が類似オンラインサービスの中でトップを誇る。リクルートが子会社化した後も成長は加速し、2014年3月期の売上高は249億円(前年度比621.2%増)となった。

冒頭のオフィスは、2014年2月、リクルートとIndeedが共同で立ち上げたもの。現在、10カ国以上から集まるエンジニア20人以上が在籍している。2015年末までには、100人態勢に強化する、という。

卓球台が置かれたオフィスでは、エンジニアが各自のスタイルでひたすら開発に没頭している。いすではなくバランスボールに座っている者もいれば、立ちながらプログラミングをしている者もいる。フロア全体が独特の空気を放っている。全員がただならぬ集中力でパソコン画面に向かっているせいだろう。

この「Indeed Tokyo」は、リクルートにとっては、グローバルエンジニアを育成するためのいわばエリート養成所の拠点でもある。ここで鍛えられ、成長したスーパー・エンジニアたちは、本連載第3回で、人事統括室室長を務める今村健一氏が話したように、その後、リクルートグループの各所に異動することになる。

破壊的イノベーションを目指す新規事業を担当する者、継続してIndeedの開発をする者、残り若干名がリクルートの既存事業の進化に携わる。“進化の細胞”としてリクルートグループの体内に散らばると思えばよい。

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