リクルートを世界へ導く、テキサスの救世主 知られざる、最先端グローバルIT企業の実態

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

なぜグーグルではなく、Indeedを選ぶのか?

――そこまで非常に優秀なエンジニアが、グーグルではなく、Indeedを選んだほうがいい理由は……。

Indeedはまだ小さな会社なので、自分の仕事が目に見えて結果に結び付くことが実感できる。今日、自分が作り出した新しい価値が、世間にインパクトを与えているということがわかる。われわれは6人よりも大きいチームは作らない。個人が影響力を持てるのはひとつの魅力だ。

あともうひとつ。われわれはグローバル企業ではあるが、東京のチームの仕事は自分たちで決める権限を持っている。多くのグローバル企業の場合、おそらく私の理解では、日本で作ったプロダクトがどこの市場に行くかなどの根本的な判断は、米国本社が行うと思うが、われわれは違う。

また、多くのグローバル企業の場合、日本で使うプロダクトを日本で開発していると思う。われわれの場合、特徴的なのは、東京で開発しているからといって、日本向けに作っているわけでない。世界を意識して開発をしている。場合によっては、東京で開発したプロダクトを、ヨーロッパやアメリカで先行してリリースすることもある。ここも魅力のひとつだと考えている。

――新人エンジニアが東京オフィスに採用になると、まず、米国テキサス州オースティンにあるIndeedのオフィスでトレーニングを受けるんですよね。

Indeedがどのようにプロダクトを作り上げていくかを、実際に体験して学んでもらう。スピードひとつとってみても、われわれのやり方はとても速い。たとえば、たった1週間で、自分の書いたプログラムコードが実際のプロダクトに組み込まれるプロセスを経験してもらう。

自分がかかわったものが、あっという間に商品化され、100万人以上のユーザーが実際に使う。これを目の当たりにするのは、大きな経験になる。これはとても重要なこと。まさに、自分自身がこのプロセスの中にいるんだという“オーナーシップ(当事者意識)”を実感し、体得してもらえる。その経験を持って東京に帰ってきた人たちを、東京では別々のチームに配置する。彼らが学んだことを、別々のチームでさらに広げていってもらう。こういうやり方をしている。

エンジニアの「収益貢献度合い」を毎日伝える

――エンジニアの評価方法は? 日本企業にはないIndeedならではのポイントがありそうです。

将来的に、会社にプラスのインパクトを出していけるスキルを生み出せているか。そうした視点で、四半期ごとに評価チェックを行っている。

2点目に、“ビジネスの視点”を持っているか、ということ。

次ページリクルートは彼らを生かせるか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT