「世界ナゼそこに?日本人」(11月3日放送)は、「視覚に障害を持ちながらもドイツの農場で生きる日本人女性」と「肺がんで余命1年と宣告されながらもカリブ海の島で家族と生きる日本人女性」の人生を追ったドキュメンタリーを放送。こちらの2人も「こんなに苦労しながらなぜ海外に住むのだろう」と思うほど苦難の人生を歩まれていました。最後は希望で終わってホッとしましたが、国際結婚ってそうとうな覚悟がいるなと痛感した回でした。
そして「ありえへん∞世界」(11月4日放送)は、「世界名も無き日本人 波瀾万丈の感動秘話」。いつもはトルクメニスタンやカザフスタンなど、日本人がほとんど行かない国を取材して、その国に住む日本人や日本食堂を紹介することが多いのですが、今回は、世界に大きく貢献した知られざる日本人を紹介する歴史ドキュメンタリーでした。
なぜ急増?
それにしても、なぜ「世界(辺境)×日本人」番組がここ数年、急増したのでしょうか?
制作側の立場から考えれば、コストパフォーマンスのよさが上げられると思います。かつては海外取材ものといえば莫大な費用がかかり、元が取れないと言われていました。現在はカメラや機材が小型化されたため比較的安く取材することができますし、アジア取材であれば国内よりも安価な場合も。また、タレントさんをたくさん海外に連れていかなくとも視聴率が取れることがわかったとあっては、世界番組が増殖するのも無理はありません。
そのうえ、世界に貢献する日本人を紹介する番組は、日本人のグローバル化を支援しているようで、スポンサーにとっても好印象です。
視聴率を安定的に取れる理由は、2つあると思います。
まずひとつ目は、教養程度にはグローバル化とは何かを知っておきたい、という視聴者が増えていること。2012年に第2次安倍政権が発足して以来、成長戦略の中心にあるのは、人と企業の“グローバル化”。ところが、急にグローバル化といわれても、多くの視聴者にとってはピンときません。
特に地方都市であれば、日常生活で英語を使うこともなければ、外国の企業と仕事をするわけでもありません。家から半径数キロメートル以内で仕事もプライベートも完結する人もいるでしょう。たまに海外旅行に行くことはあっても、自分自身をグローバル化する必要性までは感じないかもしれません。
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