打倒iPhone ドコモ、auが反撃
異例尽くしの記者会見だった--。4日、KDDI(au)が都内で行った新端末発表会。冬の目玉商品に位置づけるスマートフォン(高機能携帯電話)「IS03」のお披露目の場に、端末メーカーであるシャープの幹部が同席したからだ。
かつてシャープはソフトバンクとNTTドコモ向けにいち早く最新端末を投入する一方、au向けは最も手薄だった。
だが、「アイフォーン」にしか目がないソフトバンク、幅広い海外端末調達に力を入れるNTTドコモを尻目に、国内端末メーカー首位のシャープが満を持して参入したスマートフォンで、選んだ相手はauだった。一方、同市場で大きく出遅れたauもシャープを自陣営に取り込むことで起死回生を図る狙いがある。
シャープと組んだau 従来機能に活路探る
今回両社が共同開発した端末はアイフォーンとは違う特色を強烈に打ち出した。あえて世界共通仕様としなかった点だ。電子決済機能(おサイフケータイ)やワンセグ、赤外線通信など日本の従来端末でユーザーからの需要が根強い機能を搭載することで差別化する。12月に社長就任するKDDIの田中孝司専務は「かつて社内には『スマートフォンは一過性のものではないか』という見方もあったが、すでに状況は一変した」と過去の状況判断を反省。18日の新端末発表会では、さらに複数機種のスマートフォン投入を予定し、ようやく新たな市場に舵を切り始めた。