英語ディベートは、英会話よりも簡単!? 日本の教育を変えるキーマン 松本 茂(3)

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安河内:ディベートの能力は語学能力だけではないですよね。だから母語でディベートできる能力と外国語でディベートできる能力というは、かなりの部分で重なっていると思います。それで個人的には、国語の授業の中でもある程度、プレゼンやディベートを入れたほうがいいんじゃないかなと考えています。日本語でやっておくと英語でやりやすくなるだけでなく、英語でやると国語にもいい影響が出る気もしますし。

松本:国語の検定教科書にはディベートもディスカッションも載っているはずです。

安河内:そうなんですか? 国語も改革が進んでいるのですね!

松本:ただし、ほとんどの場合は、授業ではやらずに飛ばしてしまっているようです。「意見をぶつけ合うのはよからぬこと。みんな仲良く同じ意見にたどり着くほうがいい」と多くの先生が考えてのことかもしれません。

安河内:となると、英語の授業で最初に日本語でやるというのも、ひとつの考え方ですね。

松本:ええ、ありだと思います。ただ、翻訳にならないように、違う論題で行うべきでしょうね。

ディベートって、どうやるの?

安河内:ディベートは英会話やディスカッションに比べて簡単でとっつきやすいというのはわかりましたが、では実際にどんなふうに進めるのかを、初心者に向けてざっくり教えてもらえますか?

松本:ディベートを構成する要素は3つあります。ひとつ目は論題です。これはYesとNoに分かれるように書かれた文のことです。2つ目はディベーター(話し手)ですね。

安河内:ディベーターは1チーム何人ですか?

松本:1人でも2人でも、何人でもいいです。

安河内:主要な大会ではどうなっているのですか?

松本:大学生だと2対2、高校生だと4対4ということが多いですね。

安河内:なるほど。そして3番目の要素は?

松本:聞き手です。

安河内: judgeのことでしょうか?

松本:判定をしないディベートもあるので、一般的にはlistener/audienceですね。

安河内:ディベートは必ず判定を下すわけではないのですね。

松本:たとえば、タウンミーティングで、町の政策についてディベートをする場合には、その場では投票しないことが普通だと思います。アメリカの大統領選のディベートなどもそうですね。メディアがアンケートを取りますが……。

安河内:大統領選のディベートなどは相手を攻撃して言い負かそうとしているように見えますが、相手の意見を変えさせるのが目的ではないということですね?

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