中山:いや、そりゃもう、瞬間的には気分に影響することも沢山ありますよ。だけど、「生涯一書生」のような感じで、そういう環境は、むしろありがたいと思うように努力しています。
坂之上:全然分かってもらえない人に囲まれると、ありがたいんですか(苦笑)?
中山:まだまだ、まだまだですが、出現する状況はそのまま受け止めて、そう思う努力はします。
困難な環境ほどありがたい
中山:ありがたいと言うとちょっと誤解を招くかもしれませんね。進んで困難を求めているわけでは決してないんだけど(笑)。
坂之上:いえ、とてもいい言葉だなと。
中山:困難にも不思議な側面がいくつもあって、ひとつに、自分の経験でいうと、うまくいくときの直前というのは、困難なことがあるときが多いんですよね。
坂之上:うまくいくときの直前ですか?
中山:反対や困難を、何か自分に足りない部分があるんじゃないかと、真正面、前向きに向き直るんです。そして、模索する。そう努力する中で、おのずと道が開けてきたという経験が何度かあるんです。
坂之上:私もあります。たしかに、そうです。
中山:昔、京丹後市に日本電産の工場があったご縁で、永守(重信)さんという素晴らしい社長さんが、何度か来られてお話をしてくださったことがあります。
永守さんの言葉の中で、ああぴったりだなと思ったのは、「困難は、一緒に解決策を連れてくる」ということでした。
彼は、「困難さんありがとう」みたいに、言っておられました。そういう姿勢ってすごく大切だなって思います。
坂之上:「困難は、一緒に解決策を連れてくる」。いい言葉ですね。また、そういう思いで受け止めてなんでも行動していくと、仮にその思いがかなわないとしても、また次に何かつながるのですよね。
中山:大切なことは、そういう厳しい状況があったときに、喜んで受け止めていくということです。難しいことですけども。
坂之上:手を広げて、笑顔で受け止める? いや、まだまだ私には難しいです(苦笑)。
中山:僕も、いうまでもなくまだまだ未熟なので、できているかどうかは全く別の次元の話です(笑)。でもそれが大切だなと思って、そうできるように努力しようとは思っています。
坂之上:幸福なまちを目指そうとするときに、何に気をつけようと思ってらっしゃいますか?
中山:どういうご境遇の方も、その人その人なりに心の中からますます笑顔が出てくるような環境をつくりたいんです。日本の中で、一番笑顔とか喜びが多いまちです、みたいな、そういう感じになればいいと思うんですけど。それが日本の地方の小さな自治体から出てきたというのがいいと思うんですよ。世界に対して誇れる。
坂之上:各地域が斜に構えず、「うちが一番笑顔とか喜びが多いまちですよ」、「いや、うちです」って、自治体同士が競うような感じで広がると面白くなりそうですよね。
(構成、撮影:石川香苗子)
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