中山:もちろんそういうことを、社会をあげて解決していくことも大切です。だけど、実は違うと思うんです、基本的な考えが。人びとは昔から、不老とか長寿っていうのを、求めてやまなかったわけですよね?
坂之上:はい。
中山:高齢化社会っていうのは、言いかえれば、長寿社会です。課題はあるけども、不老や長寿が実現されつつある社会が、今の高齢化社会だと思うんですよ。そうしたときに、社会全体で今の高齢化社会に対する“感謝”が少し足らないんじゃないかと思うんです。
坂之上:感謝ですか……。
中山:高齢化社会をもっともっと感謝して、喜んで、高齢化社会の輝きの側面、すばらしい側面をど真ん中におくべきなんです。
高齢化社会をもっと前向きに考えなければならない
中山:日本社会全体で高齢化社会の中の喜びとか、楽しみとか味わいとか、そういうものをもっと素直に幸せだなぁ、と思える社会づくりと、それをますます深めていく取り組みをしていくことがとても大切だと思うんです。
坂之上:確かに、そこをすっぽり忘れているようなケースが多いかもしれません。
中山:高齢者の方々がそれぞれ元気になって、ちょっとずつ自分のペースで働き始めたり、より活き活きと活動を行うようになれば、将来負担する年金だって無理なく少なくしていけるかもしれない。
そんな議論も自然体でできるようになるかもしれないですよね。介護とか、医療なんかの負担も少なくなってきますし。
坂之上:確かに今、高齢化社会については、問題点ばかりが語られていますね。お荷物的な存在として。
中山:はい。私たちは、高齢化社会の課題にばかり目を向けて、そこから話を始めて、負担感だけに終始していく雰囲気で本当にいいのかなと。なんだかもったいないでしょう?
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