坂之上:不老長寿は古くからの、世の人びとの永遠の願いであり、本来は大いに喜ぶべきこと。そこを無視して問題だけから議論にはいるのは、おかしいじゃないかって、なんだか目からうろこです。
ところで、みなさんこの町の100歳の方々は、ハッピーな感じですか?
中山:基本的には生活感がポジティブな感じの方が多いと思います。去年お亡くなりになりましたが、「史上最も長生きした男性」としてギネスブックに登録された、木村次郎右衛門さんもおられました。
坂之上:この町だったのですか。
中山:はい。19世紀に生まれて、116歳だったんですよ。
坂之上:ここはどうしてそんなに長生きの方が多いのですか? 気候、運動、食事……何だと思われますか?
中山:もちろん食べ物や運動も、長生きにつながるものだと、専門家の方に言っていただきました。長生きそのものの問題とは別ですが、ただそれ以上に面白いことが調査でわかったんです。
他人の喜ぶことをする人ほど、幸福度が高い
中山:去年、市民のみなさんに「幸せ度アンケート調査」をしたんです。3200人の方に配って、約1300人から返答をいただきました。それを集計した研究会の座長さんが驚いておられたことがあるんです。
坂之上:なんだろう、どきどき(笑)。
中山:それは、「ボランティアをしたいですか?」とか、「困ってる人を助けることや他人のためになることを行いたいと思いますか?」という質問に対して、「強くそう思う」、「そう思う」と答えた方が、この町には78%もいたということなんです。
坂之上:へえ、そうなんですか。
中山:そして同時に、そのように思う度合いが大きいほど、幸福感の度合いが高い、という関係も明らかになり、座長も「京丹後市の場合は、他人を押しのけて自分だけが幸せになるということではなくて、他人のことも考えながら自分も幸せになりたいと多くの人が思っている、ということが表れている」というコメントを出されたほどです。
このことはまちの魅力としても大切に育んでいきたいんです。
坂之上:育むべきまちの魅力の発見! ということなんですね。そんなまちって、惹かれるものがありますね。
今までのお話聞いていて、中山さんが僧侶みたいにみえてきたので、ちょっと意地悪な質問なんですけど(笑)。
中山:はい。なんでしょう?
坂之上:頭にきたりすることってあるんですか? 反対派とか、文句つけてくる人とかに対して。
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