逆風でも強気の高価格 任天堂「3DS」の賭け
再びブームを巻き起こすことができるか。任天堂は裸眼で3D画像を体感できる携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を来年2月26日に国内で、3月に欧米で発売すると発表した。
本体価格は2万5000円と、シリーズ最高価格「DSiLL」の1万8000円(発売当初は2万円)を大きく上回る。業界はデフレの真っただ中。中古市場の拡大でソフト価格は下落基調。基本「無料」を呼び水に、SNSなどのオンラインゲームも急成長している。この状況でも任天堂が強気の価格設定に踏み切ったのは、新機能に自信があるからにほかならない。
根強い悲観論
「通信機能を活かした新しい提案を準備している」。9月29日に行われた3DS説明会で、岩田聡社長はそう強調した。
「すれ違い通信」と名付けられた新機能は、端末をスリープ(電源休止)状態にしておくと、自動的にほかの3DSを探して情報の交換ができる仕組み。これにより、3DSを持ち歩いているユーザーのキャラクター同士がすれ違いざまに対戦を開始するといった展開などが想定される。
これまでも特定のソフトをセットしたDS同士で情報を交換することができたが、3DSでは端末本体で制御することで使い勝手は格段に向上する。3DSの真髄は立体画像よりも、この無線通信機能にあると見てよいだろう。