「毎日忙しい保護者の皆さんも、たまにはスマホやTVを観てゆっくりしたいですよね。それでも、『子どもと顔を合わせて触れ合うこと』の大切さを少し意識しておくといい。食事やお風呂、歯磨きの時間など、日常生活の中でコミュニケーションの機会はたくさんありますから」(麦谷准教授)
最近は保育園や幼稚園、学校でも「マスクを着けなければいけない」、「給食の時間は一切しゃべってはいけない」など、たくさんの規制を子どもに強いている。
「子どもは、大きい声を出してみたり、高いところから飛び降りてみたり、いわゆる『羽目を外すこと』で、自分の力を試しながら成長します。でも、コロナ禍の数多くの規制が、子どもたちから自分の力を試すチャンスを奪い、ストレスを与えているのは確かです」(麦谷准教授)
それが子どもにどんな影響を与えるか、調査結果があるわけではないとしながらも、「保育現場がコロナ対応で必死のなか、子どもに羽目を外させてあげることを園だけに求めるのは現実的ではない。家庭でもうまく機会を見つけて、子どもに自分の力を試させてあげることが大事だ」と話した。
自分の力を試したいと思うポイントは子どもによって異なる。麦谷准教授は、「保護者の皆さんも仕事や家事育児で多忙だと思いますが、家庭でお子さんの様子を観察して、本人が試したい事をできる範囲で最大限サポートしてあげられたら」と話した。
2歳と一律に区切ったことが問題
今回の全国知事会の要望に関する問題点については、専門家も声を揃えて「発達に大きな個人差がある2歳児で、対応を一律に区切ったこと」だと話した。そして2歳以上の子どもも、徐々に個人差は小さくなるものの得意不得意は異なる。
全国知事会は、子どもや保育者に対応を一律に強いる前に、子どもの発達上の違いがあることを踏まえて、子どもたちへのマスクの必要性や着け方の指導や体調管理ができる体制を作らなければならなかったのではないか。
そして、私にも幼い子どもがいるが、保護者も、園での指導に頼るだけでなく、家庭でも子どもにマスクの必要性や正しい着け方を伝えるとともに、正しい医療情報を得られるよう意識する必要がある。
また、振り返ってみると私自身、家事をしながら顔を向けずに、子どもの話に相槌を打つことも多い。食事中や入浴中にゆっくりと子どもの話を聞き表情を見せるなど、できるところから心がけてみようと思う。
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