四季報のプロが伝授「株価が10倍になる株」発掘法 「テンバガー候補」を見つける3つの条件

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前期からの増収率20%以上を探す

中小型株を見つける条件の2つ目は企業の成長率。成長率の高さは、「増収率」で判断します。増収率は、売り上げが前期と比べてどれくらい増加しているかを表します。

四季報には、各年度の売上額は載っていますが、前期と比較した増収率(減収率)は記載されていません。そこで、増収率(減収率)を計算機で計算します。記載されている【業績】の数字を使います。

増収率について、東証の上場企業全体を見ると、2021年度の平均は15.4%(四季報の3ページで確認できます)。これを踏まえると、前期からの増収率が20%もあれば、その会社は十分に成長力があるといえます。増収率20%が4年続けば、4年後その会社の売り上げは約2倍になります。

私は、それくらい大きな成長力をもつ企業を探すために、前期・当期の増収率が20%以上、当期・来期の増収率(予想)15%を基準に探します。

オーナーが大株主3位以内にいるか?

オーナー企業であることも中小型成長株の重要な条件です。

『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

オーナー企業は、創業者や社長が会社を所有し、経営権をもっているのが強みです。経営の意思決定を自分でできるため、時代の変化に迅速に対応できます。

成長力を高め、速いスピードで規模や事業を拡大していくためには、これが重要なポイントとなります。実際、過去のテンバガー銘柄を分析してみても、8割ほどがオーナー企業か、それに近い企業でした。

その背景を踏まえて、創業者、創業者の家族、家族の資産管理会社などが、大株主の3位までに入っている企業をオーナー企業、またはそれに近い企業とします。

以上の3つが中小型成長株の条件です。これらの条件に合う企業を探していくと、四季報で銘柄が浮かび上がってくるでしょう。

渡部 清二 複眼経済塾 塾長
わたなべ・せいじ / Seiji Watanabe

「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。2014年四季リサーチ株式会社設立、2016年複眼経済塾設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト

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