塩分には「絶対塩度」と「舌感塩度」があります。
「絶対塩度」とは、実際にその食品に含まれる塩分のこと。100グラムに対して3グラムなら3%、5グラムなら5%です。これに対して「舌感塩度」は、「舌」で感じる「しょっぱさ・塩辛さ」です。これは実際の塩分量とは必ずしも一致しません。
つまり同じ2%の塩分でも「あ、しょっぱい!」と感じることもあれば、添加物の働きなどで、あまり塩気を感じないこともあります。
「減塩梅干し」に限らず、「減塩食品」は、食べたときに塩辛さを感じさせないように、いろいろな「工夫」がされています。はちみつやカツオ節を使うのもそうだし、「甘味料」などの添加物が使われることもあります。食べたときに「しょっぱい!」と思われるものは売れないからです。
「絶対塩度」が低いだけではなく、「舌感塩度」が低いことも求められているのです。
3%の塩水も「添加物の魔力」で飲めてしまう
「舌で感じる塩辛さ」というのは、簡単にごまかされてしまうものです。
『食品の裏側』で詳しく解説し、「日本人の舌を壊す『黄金トリオ』の超ヤバい正体」でも紹介したように、添加物やさまざまなエキスの力を借りれば、3%の塩度のカップ麺のスープであっても、しょっぱさをあまり感じなくなるどころか、コクのあるうまみ味になります。
3%といったらほぼ海水の塩分濃度です。海水なんてそのままではしょっぱくてとても飲めませんよね。でも、添加物とエキス類を駆使し、あの手この手で上手に味付けされていれば、おいしく飲み干すことができてしまうのです。
つまり、「舌感塩度」の低いものは、それと気づかず食べすぎてしまい、結果的に「塩分の摂り過ぎ」になってしまう危険性があるのです。
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