仕事が続かない両親
「うちの父は、よく言えば手広い、悪く言えばひとつの仕事が続かない人でした。害虫駆除や清掃業など、いろんなことをやっていましたが、何をやっても失敗するので、収入がほぼゼロだったこともありました。昔からお金のない、貧乏な家でしたね」
そう語るのは小野修平さん(25歳・仮名)。中国地方の某県にて、理学療法士として働く男性で、お年寄りに好かれそうな、とても優しそうな雰囲気の持ち主だ。
父の不安定な仕事ぶりが理由で奨学金を借りることになった小野さんだが、今の職業を目指すきっかけとなったのもまた、父の影響だったという。
「僕が高校生だった頃、父はマッサージ師をしていました。練習のために僕の身体を揉んでいたのですが、的確に自分の身体の凝っているところや、気持ちいいところを指で当てられたんですよ。今思えばそこまででもなかった気もするけど、当時は『うまいな』って思ってて。そんななか、父から『理学療法士という仕事がある』と聞いて自然と憧れるようになったんです」



















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