鉄道と航空、リモートで競う「未来の乗客」獲得策 京都鉄博にANA発アバター登場、JALは料理教室

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大分県が実施する遠隔施設見学で京都鉄道博物館に現れた「アバター」。タブレット端末のような画面が“顔”だ(記者撮影)
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新型コロナウイルス感染拡大の長期化でこれまでの日常生活は大きく変わった。企業ではオンライン会議システムでの打ち合わせが当たり前となり、満員電車に揺られた通勤や、飛行機や新幹線を使った長距離移動を伴う出張の機会が減った。

教育現場でもオンライン授業が浸透した。せっかく受験勉強を頑張って志望大学に入学したのに、思い描いていたような華やかなキャンパスライフを送れない学生は多いのではないだろうか。就職活動の場でもリモート面接が増えた。ずっとマスクを着用しているため、入社式で新入社員と顔を合わせても誰が誰だがわからない、と嘆く人事担当者の声もあると聞く。

博物館に現れた「アバター」

京都市下京区の京都鉄道博物館。吹き抜け構造となった本館1階では山陽新幹線で活躍する500系新幹線や、引退した581形電車、489形電車と歴史的な価値のある特急車両が来場者を出迎える。

展示車両を解説する学芸員の岡本健一郎さん。500系は遠隔でもやはり人気が高かった(記者撮影)

「これは新大阪と九州の博多との間を『こだま』として走っている新幹線です。飛行機みたいに先がとがっているのが特徴です。今度は左に回ってみましょう」。2021年12月23日、10時の開館から間もない博物館のフロアに、子供たちに向けて500系新幹線を説明する声が響く。と言っても、遠足や修学旅行の団体が訪問しているわけでない。

学芸員の岡本健一郎さんが話しかけている相手は「アバター」と呼ぶ遠隔操作ロボット。4つの車輪の付いた足元の台から真上に、節の付いた丸い筒が伸びていて、「顔」のあたりにタブレット端末のようなタッチパネルディスプレイが付いている。目線は小学校高学年くらいの高さだ。

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