鉄道と航空、リモートで競う「未来の乗客」獲得策 京都鉄博にANA発アバター登場、JALは料理教室

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この日、京都鉄博で実施していたのは大分県による「遠隔施設見学」。画面の向こうにいるのは、遠く離れた大分市の県立新生支援学校の5年生約20人。スピーカーからはにぎやかな声が聞こえてくる。

大分の子供たちが遠隔でアバターを操作し館内を移動する(記者撮影)
大人たちの助けをかりて踏切を渡る。見守りながら付いてくる博物館のスタッフも(記者撮影)

児童らは交代で、カメラの映像を見ながら動きをコントロールする。博物館側にいる県職員2人がときどき向きを変えるのを手伝ったり、手を振って場所を示したりしている。

学芸員の岡本さんはアバターを先導し、壁に掛けて並べられている歴代の名列車のヘッドマークの前で「ちょっと上を向いてみましょう。電車の頭に付けるもので、今見えているのは『なは』のヘッドマークです」と解説。実際に警報音が鳴って遮断機が降りる踏切では「音が聞こえますか?横に線路が通っています」、キハ81形ディーゼルカーは「犬のような顔で“ブルドッグ”と呼ばれています」と館内を移動しながら子供たちにわかりやすい言葉でレクチャーしていく。

反応がわかる遠隔授業

100系新幹線の前に来ると「いちばん最初の新幹線(0系)は鼻が丸かったのですが、先ほど見た青い新幹線(500系)のようにだんだんと尖ってきました。これは速いスピードで走るためです。いまではアヒルのくちばしような形をしています」と新幹線車両の変遷をまとめた。最後は「博物館では中に入れる車両もあります。京都に来るときはぜひ、新幹線に乗ってきてください」と呼び掛け、約30分の遠隔授業を締めくくった。

一般来場者への配慮と「おんせん県」のPRも欠かせない(記者撮影)

終了後、岡本さんは「500系新幹線のスマートな形が映ったときや、踏切を渡ったときに『わーっ!』という大きな反応があったので喜んでくれているのがわかった」と振り返った。そのうえで「子供たちの反応を見ながらだったので、ぶっつけ本番だったが、うまくいったと思う。京都から離れたところにある学校との遠隔授業も必要だなと感じた」と話していた。

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