スクエニ元社長、「さあクラウドゲームだ!」

新会社シンラ・テクノロジーに込めた熱情

わだ・よういち●1959年生まれ、84年東京大学卒業後、野村證券入社。2000年スクウェア入社、最高財務責任者を経て01年社長。エニックスとの合 併に伴い03年スクウェア・エニックス社長、08年にスクウェア・エニックスHD社長就任。13年6月に退任し、14年9月より現職

――とはいえ、ゲーム機の性能は進化しています。

退化とまでは言わないが発展が全然なく、新しいゲーム体験も生まれていない。これから何が起こるかというと、スマートフォンがさまざまな国に浸透することでゲーム産業は伸びる。だが、地の果てまで行くとそれで終わり。成熟産業の一番悪い形になるという危機感がすごくあって、テクノロジーの発展が重要だと思った。

ゲームは非常に複雑なアプリケーションソフトだから、かなり高性能なハードが要求される。このハードの価格が下がるに従って、ユーザー数が伸びて産業が広がってきた。例えば初期のアーケードゲーム(業務用のゲーム機)「スペースインベーダー」は、たった1つのゲームをするために20~30万円が必要だった。一般ユーザーでは買えないからゲームセンターが買い取り、コインオペレーションで回していた。

その次に起こったブレークスルーが任天堂の「ファミリーコンピューター」。1台で複数のゲームが遊べ、家庭に普及して市場が伸びた。ただし専用機ではゲームしかできないから、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション2」にDVDプレーヤーが付いて汎用化していった。汎用化の極地がスマートフォン。値段が下がることでユーザー層は臨界点まで広がっている。もう次に何が起こるかというと、突き抜けるしかない。

クラウド上に”ウルトラマシン”をつくる

――突き抜ける?

今まで専用機から汎用機の流れを取ってきたけれど、もう1度専用機に戻そうと。ゲームのためだけにバカみたいなマシンを作るというアイディアです。もともとはコンテンツを作るつもりで5~6年前から研究していた。私の予想だと3~4年前からクラウド規模の業者が出てくるはずだった。確かに出てきたけれど技術的なブレークスルーが全然なかった。だから自分たちで作ろうとなり、3年前からクラウドゲームのプラットフォームをどう事業化するかに考えをシフトさせてきた。

もちろんスクエニとしては、クラウドゲームのコンテンツ供給側として継続して頑張ります。

――すでにソニーやマイクロソフトもクラウドゲームを打ち出している。ライバル関係になるのでは?

われわれはクラウド上に巨大なウルトラマシン、スーパーコンピューターを作ろうという発想。1000万円かけて1台作り、これを1000人で遊んだら1人1万円。これで新しい体験を作ろうというビジネスモデルです。

だからソニーがiPhoneを競合と見ているかという議論と一緒。確かに両方ともゲームをやっているが、マーケットは一緒とも違うともいえる。クラウドゲームも完全な競争関係ではないと思っている。

次ページどんなゲームができるのか?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
  • ドラの視点
  • ネットで故人の声を聴け
  • 今見るべきネット配信番組
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
脱・ストレス 不安加速社会<br>への4つの処方箋

コロナ禍で、人と会ったり飲み会をしたりといった従来のストレス解消法がしづらくなっています。そんな今だからこそ、「脳」「睡眠」「運動」「食事」の専門家が教えるコンディショニング術でストレスフリーな状態を目指しましょう。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT