小渕優子氏、「経産相辞任」でも残る不安 違法行為であることは明白なだけに・・・・

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それにしても小渕氏は、どうしてこんなミスを犯したのか。辞任会見で判明したことは、彼女が政治資金の取り扱いについて直接チェックしたことがなく、簡単な報告を秘書から受けるだけですませていたことだ。

その代わり、亡父・恵三氏の時代から秘書を務めた折田謙一郎中之条町長が責任をとって辞任した。結局小渕氏は「お飾り」にすぎず、現実の責任から隔離された存在であったわけだ。

議員を辞職したとしてもリベンジは可能

辞任会見で小渕氏は「政治団体とは関係ない外部から弁護士や税理士などの専門家を入れて、客観的な調査をしていただく」と述べている。直接の明言はなかったが、今後は政治資金の流れについては自ら目を通すことになるだろう。これを機に小渕氏が政治家としてそして人間としてひとまわりもふたまわりも成長するならば、決してムダな経験にはならないだろう。たとえ議員辞職をして出直しても、小渕氏はまだ40歳。政治家としてのやり直しは十分に可能だ。

実際に似たような前例がある。松島氏の後任として法相に就任した上川陽子氏だ。上川氏は2000年の衆院選で、党本部が戸塚進也氏を公認したにもかかわらず出馬したことが反党行為と見なされ、自民党を除名された経歴を持つ。除名された者が政党に復帰するのは容易ではない。ましてや閣僚に抜擢されるのは異例だ。そのような上川氏を新たに閣僚に据えたのは、安倍晋三首相からのメッセージなのだろうか。

いずれにしろ、政界はまさに「人間万事塞翁が馬」。小渕氏も挽回の機会を掴むチャンスは十分にあるだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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