小渕優子氏、「経産相辞任」でも残る不安 違法行為であることは明白なだけに・・・・

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確かに「不正」であることは、容易に知ることができる。問題とされた明治座観劇会について、「小渕優子後援会」の2010年分の政治資金収支報告書ではその会費として373万円を集めていると記している。

一方で同報告書と関連団体の「自民党群馬県ふるさと振興支部」は明治座に1688万円支払っていることを示しており、差額の約1316万円が宙に浮いていることになる。

翌2011年についても、観劇会の会費徴収と支払いの差額が1326万円も存在する。これらが事実だとすると「利益供与」として公職選挙法違反に、記載ミスだとすると政治資金規正法違反に問われる可能性がある。どちらに転んでも違法という、まさに絶体絶命の状態だ。

さらに「東京ドーム巨人戦観戦ツアー疑惑」や「下仁田ネギ疑惑」もある。「こんなにボロボロと出てきては、大臣辞任だけではすまない。議員辞職しなくてはいけなくなるかもしれない」--。関係者からこんな声も聞こえている。

これまで大臣に不祥事があった場合、「大臣辞任」をもって火消しできたことが多かった。経産相辞任後の会見は小渕氏が深く反省している様子が明らかで、まずはうまく乗り切ったと見ることはできる。しかし、果たしてこれで幕引きになるだろうか。

身体検査が甘かった

小渕氏辞任に合わせるかのように、松島氏も法相を辞任した。同じ日に2人の大臣、しかも重要閣僚クラスが同時辞任するとは前代未聞。安倍政権に対する影響は必至と見られる。

そもそも今回の改造人事については「何かが起こりそうだ」との声が出ていた。理由は身体検査が甘かったからだ。

一般的に大臣に就任する前には、金銭トラブルや異性問題などがあるかどうかがチェックされる。ところが丁寧にチェックしていては、候補者がいなくなってしまう。そこである程度は目をつぶった。小渕氏はその中でも「最も安全な牌」とみられていた。

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