「Netflix婚活番組」に透ける日本人らしさの正体 顔を見ずに相手決める「ラブ・イズ・ブラインド」

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2月8日から全世界同時配信開始されたNetflixシリーズの新作『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』は外見を見ずに結婚相手を探す婚活リアリティーショー(写真:Netflix)
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Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

「街中でもし会っていたら、絶対選ばない」

プロフィール写真が並んだマッチングアプリで結婚相手を探すこともできる時代に、敢えてその流れと逆行する婚活番組がNetflixシリーズ『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』です。それは相手の姿を見ずに結婚相手を決めるというもの。番組企画と言えども、参加者は人生を変える決断に迫られます。その様子から、日本の婚活事情まで見えてきます。

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番組は最終ゴールの「結婚式」に向かって、独自のステップを踏みながら進んでいきます。参加したのは20代から50代まで年齢も職業もさまざまな独身男女24人。第1ステップでは「ポッド」と呼ばれる個室で10日間にわたってデートを重ねていきます。ただし、相手の姿は一切見えません。壁の向こう側にいる相手と声のやり取りだけで相性を見極めていくのです。外見が見えないことで、歳を重ねた容姿や、身長や体型が問題視されないのは確か。「ラブ・イズ・ブラインド=恋は盲目」とは本当か?ということを体験していきます。

参加者たちの中から実際にカップルも生まれます。この段階で番組では「婚約成立」とし、ようやく対面できる機会が与えられます。そのとき初めて相手の姿を確認できるのです。その緊張感たるや画面を通じて伝わってくるほどです。時に目の前に現れた相手の姿は想像していたイメージとは真逆の場合もあり。「街中でもし会っていたら、絶対くっつかないタイプ」と動揺を隠せない参加者もいます。

相手の姿は一切見えない「ポッド」と呼ばれる個室でデートを重ねていく参加者たち。はたして「ラブ・イズ・ブラインド=恋は盲目」とは本当なのか(写真:Netflix)

次のステップも難関です。「バカンス」と「同棲」を通じて、四六時中相手といるうちに「ポッド」の中では知りえなかった事実が次々と告白されていきます。結婚という現実味が増していくと、尻込みする参加者もいます。ほんの1カ月前まで見ず知らずだった相手、しかも姿を見ずに決めた相手と本当に結婚に踏み切れるのか、それとも破局の道を選ぶのか。それぞれ考えに考え抜いて答えを出していき、「結婚式」当日を迎えます。

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