日本人がわかってない欧米流リーダー育成の凄み 問題解決能力を養うディベート力が必須のスキル

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欧米のリーダーと日本のリーダーの学び方はどう違うのでしょうか? (写真:marchmeena/PIXTA)
イギリスにはボリス・ジョンソン首相をはじめ、世界的な政治家やCEOなどのリーダーを輩出し、世界一といわれるディベート組織「オックスフォード・ユニオン」があります。
なぜディベート力がリーダーに大切なのか、言葉の文化、歴史的な背景、人材育成の伝統とは?
オックスフォード・ユニオンのリーダーシップのはぐくみ方と交渉術をまとめた中谷安男氏の著書『オックスフォード 世界最強のリーダーシップ教室』から一部抜粋、再構成して3回連載でお届けします。

世界のリーダーが駆けつけるディベート議場とは?

最初に結論から申しますと、欧米のリーダーは教育を受ける中で積極的にディベートに参加することを求められます。これが日本の教育と最も違う点です。

イギリスとその旧植民地の同盟であるコモンウェルス54カ国とアメリカでは、これが特に顕著です。ディベート力が将来のリーダーに必須のスキルと考えられています。後で詳しく述べますが、ディベートは問題解決能力を養うのに最適で、現代のように課題が大きければ大きいほど効果が発揮できるのです。

舞台は、世界最高のディベート組織であるオックスフォード・ユニオン(以下ユニオン)です。ここは世界のリーダーが集まり、未来のリーダーと積極果敢に議論を行い、課題の解決方法を探索します。

チャーチルをはじめメイ、キャメロンなど歴代のイギリスの首相だけでなく、ニクソン、クリントンといったアメリカ大統領も登壇しました。活動家としては、マリア・テレサ、ダライ・ラマ。ビジネス界ではコカ・コーラCEOクインシー、LVMHの代表アルノーたちも、学生と熱心な質疑応答を行いました。

なぜ世界のリーダーがわざわざ学生と討議に来るのでしょうか。その理由を探索するために、ユニオンで何が行われ、そのことが危機時のリーダー育成にどのような影響を与えるのか見ていきます。日本のリーダーの課題や育成のヒントも得られるはずです。

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