日本人がわかってない欧米流リーダー育成の凄み 問題解決能力を養うディベート力が必須のスキル

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世界をリードしてきたアメリカや、かつて巨大な勢力を誇ったイギリスでは、ディベートを問題解決の手法として大いに活用します。例えば、アメリカの大統領選挙は候補者同士がディベートを行い、その優劣が選挙結果に大きな影響を与えます。

また、イギリスの国会審議は与野党の代表が活発なディベートを行います。その結果を基に投票で予算の審議や、法律の制定をしていきます。このイギリス議会で行われる討論は、パーラメント・ディベートと呼ばれます。

イギリスだけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、インドを含むコモンウェルスでは、この形式を早い時期から教育に取り入れ、若者を徹底的に鍛えます。これらの国を中心に50カ国以上の大学が参加する世界ディベート選手権が毎年開かれており、2020年の優勝はユニオンのチームです。世界中から集い、学生時代からリーダーを目指し、国際レベルで切磋琢磨しているのです。

残念ながら日本では、世界標準であるディベートの正しいやり方や、それが与える人材育成へのインパクトも十分認識されていないようです。

以下、パーラメント・ディベートの手法に沿って話を進めていきます。

大学生のディベートで歴史が作られる?

欧米ではディベートが、最高の知的競技と見なされ、大学でもその手法を伝統的に活用しています。オックスフォードでは、ベリオール・カレッジが1263年の設立から、週に1回ディベートを続けています。

ディベートは、その時代の重要な課題に対する議題を、賛成・反対の立場から交互に議論し、最終的に優劣を聴衆が判定します。ユニオンでは、最高の議論を行うため、世界大会で活躍する学生だけでなく、現役のトップリーダーが討議者として招かれます。

例えば、2021年11月に「巨大テクノロジー産業なしには生きていけない」というディベートが行われました。このとき、アメリカの連邦取引員会の元議長や、イギリス保守党のオンライン安全委員会議長など専門家6人も討論しています。

社会的にとても注目度が高いのは、このように世界の専門家も集い、今の深刻な課題の解決に向けて、熱くディベートを行うからです。

さて、大学生が世の中を変えられるのでしょうか。実は、オックスフォードのユニオンで行われたディベートが、歴史を変えてきたと言われています。この中で、次の3つの事例が特に有名です。

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