マイクロソフト、ゲーム買収に8兆円もかけた真意 透けるメタバースへの野心、GAFAは追随するか

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同社のボビー・コティックCEO(最高経営責任者)は「私たちは(オフラインの娯楽だった)ゲームを社会的体験の場に代え、毎日何億人ものプレイヤーコミュニティーを楽しませている。これらのコミュニティーの形成は、メタバース構築への次のステップだ」と期待を述べた。

マイクロソフトは「ゲームをより包括的に、すべての人がプレイできるようにすることが、メタバースの発展に重要」(ナデラCEO)と、“どんな環境からでもアクセスできるメタバース”へのこだわりが強い。

そこにゲームサブスクで培ってきた「クラウドゲーミング」の技術が生きる。これはゲーム処理をサーバー側で行うことにより、一般的なゲーム機やPC、スマホなどあらゆる端末からグラフィックが高度なゲームを遊べる仕組みだ。今回の買収で獲得した強力なコンテンツとコミュニティーとかけあわせることで、いっそうのメタバース戦略加速が見込まれる。

「素晴らしいエンターテイメントを(メタバースなどの)新しいテクノロジー、コミュニティー、ビジネスモデルと組み合わせることが、まさに今回の契約の目的だ」(ナデラCEO)

横目で眺めるGAFAはどう出るか

今後の焦点は、同社の巨額買収が世界的なIT大手にどのような影響を与えるか、だ。

すでにグーグルが2019年からクラウドゲームサービス「Stadia」をスタートし、アマゾンも2020年に同様のサービス「Amazon Luna」をアメリカ国内から開始するなど、IT大手各社がゲーム産業との距離を縮めつつある。これらの企業がマイクロソフトに追随し、メタバース事業への進出をにらんで有力ゲーム会社を買収、という展開は十分あり得る。

プラットフォーマーによる覇権争いの行方を占う、マイクロソフトの巨額買収。これを契機に、メタバース時代の到来が急速に近づくことになるかもしれない。

武山 隼大 東洋経済 記者

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たけやま はやた / Hayata Takeyama

岐阜県出身。東京外国語大学国際社会学部モンゴル語専攻卒。在学中に西モンゴル・ホブド大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在ゲーム・玩具業界を担当。

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