マイクロソフト、ゲーム買収に8兆円もかけた真意 透けるメタバースへの野心、GAFAは追随するか

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これまでもマイクロソフトはゲーム事業として、2014年に人気ゲーム「マインクラフト」の開発会社・モヤン(現モヤン・スタジオ)を約3000億円で、2021年に子会社のスタジオでロールプレイングゲーム「フォールアウト」やシューティングゲーム「ドゥーム」などを開発するゼニマックス・メディアを約8600億円で買収するなど、矢継ぎ早のM&A(合併・買収)を実践してきた。

ただ、今回はこうした前例とは桁違いの買収金額となる。大盤振る舞いの買収に透けるのが、アクティビジョン・ブリザードへの「メタバース」戦略における期待値の高さだ。

ゲームが満たすメタバースの要素

メタバースとはインターネット上の3D仮想空間のことだ。ユーザーは自身の分身となるキャラクターを介し、メタバース上で行動したり、ほかの人々と交流したりする。

「メタバース」の認知度を一気に広げたのがフェイスブックから社名を改めたメタだ。2021年10月に社名変更を行ったほか、メタバース関連事業にあたる人材をヨーロッパで1万人雇用することを発表。“次世代のインターネット”との呼び声も高く、すでにメタバース領域へ年間約1兆円を投じている。

メタバースを構築するうえでは、ユーザーの誘客や滞在を促す「コンテンツ」の存在と、ユーザー同士の交流を実現する「コミュニティー性」の高さが重要になる。近年、ゲームソフトの中にこの2つを兼ね備え、メタバースの要素を満たした作品が現れるようになった。

例えば世界中で数億人のユーザーを抱える、エピックゲームズの対戦型オンラインゲーム「フォートナイト」。同作は対戦型ゲームとは別に仮想空間を用意し、その中で音楽ライブを開催する「パーティーロイヤルモード」を備え人気を集める。単なる人気コンテンツにとどまらず、幅広い目的でユーザーが集まるコミュニティー化を推し進めることで、フォートナイトはメタバースとしての発展を画策しているのだ。

アクティビジョン・ブリザードもゲームソフトとして人気のコンテンツを持っていることはもちろん、例えば「コールオブデューティ」ではボイスチャット機能を使ったユーザー同士の協力プレイなど、コミュニティー要素も強い。

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