マイクロソフト、ゲーム買収に8兆円もかけた真意 透けるメタバースへの野心、GAFAは追随するか

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マイクロソフトによる桁違いの買収劇には、大きな野心が透ける(写真:2020 Bloomberg Finance LP)

世界中のゲームファンに衝撃が走った。

1月18日、アメリカのIT大手・マイクロソフトが、同国のゲーム大手であるアクティビジョン・ブリザードの買収を発表した。買収発表の前営業日に1株当たり65ドル(終値)だった株式を、同95ドルで買い付ける。2023年6月までに買収を完了する見込みで、買収額は約8兆円と同社史上最大の規模となる。

アクティビジョン・ブリザードは傘下のスタジオで累計売上高が30億ドルを突破したFPS(1人称視点シューティングゲーム)「コールオブデューティ」や、戦略ゲーム「スタークラフト」といった作品を生み出してきた。また、子会社には世界的ヒット作のパズルゲーム「キャンディークラッシュ」などモバイルゲームを運営するキング社も抱える。2021年12月期で売上高約1兆120億円に上る世界的ゲーム企業だ。

ゲームでも世界大手のマイクロソフト

マイクロソフトはパソコン用OS(基本ソフト)の「Windows」やクラウドサービス「Azure」などの開発・運営で知られるが、2001年に発売された「Xbox」などゲーム事業でも売上高約1兆8000億円(2021年6月期)を誇る。同社は買収で手に入れたゲームソフトを可能な限り自社のサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」にラインナップすることで、全世界で2500万人超の会員数を一層伸ばしにかかる。

また、アクティビジョン・ブリザードが得意とするeスポーツ大会の運営、手薄だったパズルゲームのようなライト層向けのモバイルゲームなど、マイクロソフトにおけるゲーム事業の幅を広げることも狙いの1つだ。この買収により同社のゲーム事業は、世界全体で中国のテンセント、ソニーに続く第3位となる。

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは買収発表の電話会議で「現在、ゲームはあらゆるプラットフォームを通じて、エンターテイメントの中で最もダイナミックでエキサイティングなカテゴリー」と期待を述べた。

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