手土産の鉄板!ヨックモック「シガール」の超進化 バレンタインデー用にも人気「冬の限定商品」

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冒頭にも説明したとおり、2022年はとくに売れ行きが好調。同社広報部によると、理由の一つとして、よりチョコレートらしさを表現したパッケージにリニューアルしたことが関係しているのでは、とのことだ。

また、春〜初夏限定の味わいとして2017年から毎年販売されているのが「シガール オゥ マッチャ」。シンプルかつ子どもから大人まで食べやすい味わいに仕上がっており、新発売時には店舗前に行列ができるほどの好評を博したという。

それにしても、こうした期間限定品は飲食を扱う企業では外せない戦略となっている今、期間限定の味が非常に希少であるのは珍しい。シガールというお菓子や同社の人となりを表す特徴と言えるのではないだろうか。

設立当初からのロングセラー、シガールと冬季限定のショコラ シガール。なお、ブルー・ブリック・ラウンジでは注文した客につきシガール1本をサービスしているそうだ(撮影:梅谷秀司)

同社によると、商品についてのこだわりは「お菓子は人間の生活に欠くことのできないものである」という創業者の思いを今に伝えながら、真心を込めた菓子づくりを行っていることだそうだ。また、原材料に関しては「特別より格別」をポリシーとしている。上質な原材料ではあるが、個性が際立つというよりは、ひとつのお菓子としてまとまったときにおいしくなるような素材を選んでいるのだという。

例えばシガールに関しては、グラニュー糖ではなくあえてどの家庭にもある上白糖を用いていることが挙げられる。さらに、口当たりを左右する小麦粉については、薄力粉の中でも純度の高い特等粉を選んでいるそうだ。親しみやすいコクのある甘味、独特の軽い口溶けはこうした材料の組み合わせから生まれているのだ。

こうした商品づくりへのこだわりは老若男女に親しまれる味わいとなり、国内だけでなく世界へとファンを広げるように。現在は国内で約160店舗のほか、アメリカ、アジアなどに約60店を展開している。

ランチは順番待ちができるほどの繁盛ぶり

なお、青山にある直営店と喫茶室「ブルー・ブリック・ラウンジ」は、すでに1978年、本社社屋とともにオープンしている。藤縄氏の「直営店でできたてのお菓子とまごころのこもったサービスを提供したい」という強い思いからだそうだ。

シックな雰囲気の店内。ヨックモックのシンボルツリー「ハナミズキ」が植えられた中庭を望みながら、心落ち着く時間を過ごせる(撮影:梅谷秀司)

定番の「ブリュレ風パンケーキ」のほか、ケーキ、季節のスイーツ、食事などが楽しめる。デパートで買うお菓子のイメージが定着しているため、カフェについては知らない人も多いかもしれない。しかしランチは順番待ちができるほどの繁盛ぶりなのだそう。今は近隣住民が中心だが、コロナ前は観光客やインバウンドも多かったという。

観光客のほか、近隣住民にも利用される理由の一つとして、コストパフォーマンスの良さが挙げられる。表参道のブランド店が並ぶ街中にある店舗として、ランチは1600円程度(アルコールをセットで頼みたい場合は+220円)、コースランチは3000円程度からと、比較的良心的な価格だ。

さらにアルコール制限や時間制限などを課されることも多いコロナ禍では、ランチにぜいたくをしたいという需要が高まっている。また外食の機会が希少であるため、店選びに失敗したくない、という心理も働く。コロナで同店の利用が高まっているのも頷ける。

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