手土産の鉄板!ヨックモック「シガール」の超進化 バレンタインデー用にも人気「冬の限定商品」

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なお、同店ではコースとアフタヌーンティーを利用する場合のみ予約を受け付けている。また店内は中庭の景色を望みながらゆったりと過ごせる雰囲気のため、時間をかけてランチを楽しみたいというニーズにはまりそうだ。

このようにロングセラーのシガールという強みをもつ一方で、カフェ事業も展開している同社。そしてOEM事業にも参入するなど多方面に事業を広げている。

ヨックモックというブランドの存在は、目に見えている以上に日常生活の中に浸透しているのかもしれない。

一番人気のスイーツ、「ブリュレ風パンケーキ」(1320円)。表面をキャラメリゼしたカリカリ食感がほかではなかなか見られない特徴だ。シガールなどと同様、身近な素材を組み合わせながら万人に愛されるホッとする味わいに仕上げている(撮影:梅谷秀司)

コロナ前の5年間は増収増益基調にあり、数年前、アラブ首長国連邦でシガールが大ヒットした(契約満了のため現在は販売休止)ことがきっかけで、メディアでも話題を集めた。

コロナの影響により2020年は減収したが、2000年から開始したオンライン販売も好調で、2021年以降は回復傾向にあるという。やはり人流の制限に比例して、対面の贈り物需要はマイナス影響を受けているものの、帰省控えも後押しし、インターネット販売での贈答品の発送が増えているのだそうだ。

また景気が落ち込む中、消費者の心理としてはネームバリューが高いブランドのほうを選ぶ傾向がある。手土産としての知名度も、業績回復を助けたのではないだろうか。

課題は「新規客層」の開拓

一方で現在の大きな課題となっているのが、新規客層の開拓だそうだ。「ヨックモックは販売以来お客様の口コミによって現在まで事業を広げてきたため、自らの情報発信を積極的に行ってこなかった経緯があります。しかし今後はメディアやSNSなども活用しながら、若年層との接点を増やす機会を積極的に設けていきたいと考えております」(広報担当)

SNSやアプリ、ワークショップ開催などを通じた情報発信や顧客との接点づくりに力を入れているそうだ。

また商品についても、ちょっとした贈り物に適する少量の詰め合わせや、よりカジュアルに楽しめるシリーズの企画を増やしている。2020年に発売した「ロイヤルブルー」(秋冬限定)は少量サイズの詰め合わせをポップなデザインのパッケージで包んだシリーズだ。さらに生活スタイルが変化する中「より身近にヨックモックを感じていただきたい」と、2021年12月に「MY YOKUMOKU」を店舗限定で発売。定番クッキーが1種類入った紙箱の食べきりサイズで、各345円と気軽に購入できる価格だ。コロナによる自家需要の高まりもあり、「自分用のご褒美」として買い求める客が多いという。

喫茶室「ブルー・ブリック・ラウンジ」でも、ヨックモックを代表するようなアイコンメニューの開発に取り組んでいるところだそうだ。

設立当初、当時の常識をくつがえす商品「シガール」を世に送り出したヨックモック。その挑戦の精神が商品づくりに受け継がれてきた。しかし一方で、誰もが安心するような、親しみやすい味をつくり続けてきた社風のゆえか、社としての姿勢には慎重さも垣間見える。そうした商品づくりを守りながら、新たな風を取り入れていくことが、同社の次なる挑戦になるのだろう。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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