――バイデン大統領は、自分が副大統領だったオバマ政権時代の「戦略的忍耐」、悪く言えば傍観的な態度を北朝鮮に対してとっていませんか。
その通りだ。バイデン政権は事実上、この「戦略的忍耐」を復活させたと言っても過言ではない。これは、ホワイトハウスとしては非常に合理的な態度だ。北朝鮮と核開発の凍結や核兵器削減において合意するためには、アメリカはより多くの譲歩をするほかない。しかし、そうした譲歩を行えば、アメリカ国内で激しい批判を浴びることは確実だ。アメリカ中のメディアや連邦議会、外交エリート、さらには一般世論まで、誰もが激しい怒りを示すだろう。簡単に言えば、「世界の指導者であるアメリカ大統領が、遠い東洋の小さい、おかしな独裁国家に降伏した」と憤るはずだ。
当然、こんな批判を自ら浴びたいアメリカ大統領は絶対にいない。アメリカの長期的な国家利益を考えれば、北朝鮮と妥協することはよいことだ。しかし、ホワイトハウスに住む者、すなわちアメリカ大統領にとって北朝鮮との妥協は政治的危機を招き、かつとてもコストが高い政策になる。
一方で、アメリカは核拡散を重要な脅威として捉えている。そのため、アメリカは北朝鮮の核問題を完全に無視することはできない。
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