第二次世界大戦中に、マッカーサー元帥が座右に置いていたという、アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの詩をご存知の人も多いだろう。
『 青春 』 サミュエル・ウルマン
青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞(たくま)しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却(しりぞ)ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときにはじめて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑(こぎ)や、不安、恐怖、失望、こういうものこそ恰(あたか)も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥(あくた)に帰せしめてしまう。年は70であろうと、16であろうと、その胸中に抱きうるものは何か。
曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星辰(せいしん)、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く
疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く
恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く
失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも覆いつくし、皮肉の厚氷がこれを固く閉ざすに至れば、この時にこそ、人は全くに老いて神の憐れみを乞うる他はなくなる。
この詩を、松下が70歳のとき、ある人から贈られる。
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