援助じゃアフリカは発展しない ダンビサ・モヨ著/小浜裕久監訳

援助じゃアフリカは発展しない ダンビサ・モヨ著/小浜裕久監訳

国連がアフリカの「貧困半減のための援助倍増」の旗を掲げて10年。2015年の最終ゴール「ミレニアム開発目標」達成を目指し、なお強い意志で各国政府への叱咤激励を続ける。

確かにアフリカ諸国のパフォーマンスは、従来になく向上しているように見える。だが、アフリカ出身女性エコノミストによる本書は、データに基づき、過去数十年の1兆ドル以上の援助は、「貧しい人々をより貧しくさせ、経済成長を遅らせてきた」として全面的に援助の効果を否定する。

では、持続可能な発展策はあるのか。本書は中国をモデル化する。つまり、「直接投資受け入れと輸出志向」で離陸する方向である。しかも著者は、中国の損得に徹した進出のあり方をも大いに評価する。

日本からは、アフリカ向け援助の“真水”がむしろ減る傾向にある。日本の国際社会で認められる援助論理の構築に加え、自らの援助のあり方を決めるうえでも参考になる、論争の書だ。

東洋経済新報社 2310円

    

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • コロナ後を生き抜く
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
香港問題めぐり米中激突<br>加速するデカップリング

6月30日、「香港国家安全法」が施行されました。「一国二制度」の下での高度な自治が失われたとして、西側世界と中国の対立は一気に深まっています。米中経済の分離は、サプライチェーンの見直しなど、グローバル企業にも大きな変化を迫りそうです。