映画「999」がドルビーシネマ版で蘇った深い理由 海外展開にはアーカイブのリマスター化が不可欠

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『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-』のドルビーシネマ版が公開中。魅力は最新鋭のHDR映像技術であるドルビービジョンによってフィルムが本来持っていた映像を再現している点だ ©松本零士・東映アニメーション

1970~80年代に、日本中でSFブームを巻き起こした松本零士原作のSFアニメ『銀河鉄道999』。その劇場版作品が、鮮明な映像と立体音響を可能にした最新の上映システム「ドルビーシネマ版」にアップグレードされた。

現在、劇場版長編アニメーション『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999 ~アンドロメダ終着駅~』の2作品が「ドルビーシネマ」に対応する全国の映画館で上映中であるが、満席・売り切れの回が続出するなど、40年以上の時を経てなお、色あせない人気を見せつけている。

ドルビーが誇る最高の映画上映システムで公開

「ドルビーシネマ」は、「ドルビーサラウンド」など優れた音響技術で知られるドルビー社が提唱する最新の上映システムだ。

ツイン4Kプロジェクターによる高輝度・高コントラストな映像を実現する最新鋭のHDR映像技術「ドルビービジョン」と、天井や壁面に多数のスピーカーを配し、臨場感あふれるサウンドを実現する立体音響技術「ドルビーアトモス」、そして外部からの光や、スクリーンからの光などに極力影響されないよう、エントランスからインテリア、座席に至るまで、黒を基調としたデザインを組み立てた「シアターデザイン」で構成される。これらの技術が三位一体となって、映画への没入感をもたらす。

劇場用アニメーション映画『銀河鉄道999』は1979年に公開され、配給収入は16億5000万円。その年の邦画第1位を記録する大ヒットを記録した。また、ゴダイゴによる主題歌はオリコンチャートで最高2位を獲得するなど、社会現象を巻き起こした。そして1981年には続編となる『さよなら銀河鉄道999 ~アンドロメダ終着駅~』も公開され、こちらも配給収入11億5000万円という大ヒットを記録した。

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