AMGの電動車「EQS53」乗ってわかった破格の実力 走りは強烈かつ滑らか、ただし情緒はいま一歩

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電動化してもAMGはAMGでいられるか?(写真:メルセデス・ベンツ)
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昨年9月にミュンヘンで開催されたIAA(ドイツ国際自動車ショー)において世界初公開となったメルセデスAMG EQS 53 4MATIC+に昨年末、カリフォルニアで試乗してきた。

メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスカーに特化したサブブランドであるメルセデスAMGにとって史上初のBEV(バッテリー電気自動車)だけに、その走りが一体どんな仕上がりとなっているのか、情感を刺激するものになっているのか、どうしても確かめてみたくて、帰国後のホテルと自宅での2週間の待機を飲み込み出かけてきたのだ。

モーターであってもAMGの哲学に違いはない

ベースとなったメルセデス・ベンツEQSは、まさにBEV版Sクラスと呼ぶべきハイエンドセダンで、こちらも昨年春に登場したばかりである。ではメルセデスAMGはそれをどのように仕立てたのかと言えば、内燃エンジンか電気モーターかという違いこそあれ、そのクルマ作りの哲学にはまったく違いは無いと言っていい。すなわち重視しているのは、何よりまずパフォーマンスだということである。

車体の前後には専用電気モーターが搭載され、4輪を駆動する。アウトプットはオプションの「AMGダイナミック・プラス・パッケージ」装着車の場合、実に最高出力761PS、最大トルク1020Nmにも達する。107.8kWhという大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載することもあり、車重は2.7トンにも迫る超重量級だが、それでいて静止状態から加速して100km/hに到達するまでには、たったの3.4秒しか要さない。

シャシーも当然、専用チューニングとされている。操舵は前輪だけでなく後輪でも行われ、高速コーナーではより安定方向に、一方で低速コーナーでは機敏な方向に切り替わる。足元には標準で21インチ、オプションでは22インチという大径タイヤ。それに合わせてエアサスペンションも、よりスポーティーにリセッティングされている。

そして、IAAの時点から気になっていたのが「AMGサウンドエクスペリエンス」なるアイテムだ。資料などには単に“エモーショナルな走行音を奏でる”とだけされていたコレ、ようやく実際に体験できたのである。

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