16歳で逝去の娘｢スマホデータ復元｣で知った事実 ｢トー横｣に通っていた娘に何が起こったのか

家族旅行先で写真にうつる小学6年生の時のあきこさん（浩三さん提供）

警察署で娘と対面した際、体にかけられた布が不自然な形になっていてめくることができなかった。娘は知らぬ間にトー横に行き、そして亡くなった。（弁護士ドットコムニュース・一宮俊介）

「トー横」と呼ばれるエリアにある広場（2024年4月18日、東京・歌舞伎町で。写真：弁護士ドットコム）

死後に知った、娘の「トー横」通い

JR新宿駅から歩いて約10分。東京・歌舞伎町にある新宿東宝ビルの周辺は「トー横」と呼ばれ、全国各地から集まった未成年や若者がたむろする。

当記事は弁護士ドットコムニュース（運営：弁護士ドットコム）の提供記事です

彼らは「トー横キッズ」と呼ばれ、市販薬を大量に飲むオーバードーズや薬物の売買、性犯罪などに巻き込まれるトラブルや事件が多発している。

東京都内に住む会社員の浩三さん（41歳、苗字は非公表）は2023年3月、自死した娘・あきこさん（当時16歳）がトー横に通っていたことを死後になって初めて知った。

「近くに誰か一人でも相談できる大人がいれば死なずにすむのではないか」と話す浩三さん（2024年4月18日、東京・歌舞伎町で。写真：弁護士ドットコム）

あきこさんは3人姉妹の長女で、中学1年の夏休みが終わったころから学校に行かなくなった。家で寝ていることが多かったという。不登校になった理由は今も分からない。

浩三さんは夫婦共働きで、特に浩三さんは仕事がとても忙しく、子どもたちとゆっくり遊んだり話したりする機会がほとんどなかった。

そんな中、あきこさんは中学を卒業すると同時に家を出て、学生寮に住みながら高校に通うようになった。