東洋経済オンラインでは、上場企業で働く非正社員に関連する記事を配信しているが、最後に5年前比で非正社員を増やした会社ランキングトップ500を配信する。企業の成長のためには、人材の確保も必要だ。非正社員を積極的に増やしている企業を見ることで、成長中の企業を見つけ出すことができるだろう。
今回は新型コロナの影響が本格化する前の2019年と2023年を比較した。集計には全従業員に占める割合が1割を超えると開示が求められる、臨時従業員数を非正規社員の人数として用いている。
ランキングは増加人数の多さで順位付けしているので、従業員数が多い大企業が上位に並ぶ。1万人以上の非正社員を増加させた企業は6社、1000人以上非正社員を増加させた企業は87社あり、それぞれの社数は前回調査を上回った。
コスト増を成長加速で吸収できるか
ランキングの1位はイオングループ傘下で、四国最大のスーパーを展開するフジ。2022年3月にイオングループのマックスバリュ西日本と統合して、持ち株会社化した。この会社再編の影響が大きく、2万人近い非正社員が増加した。この期間に正社員も5487人増加させた。子会社には外食事業やフィットネス事業などを抱え、多角展開している。
2位はソフトバンクで、ソフトバンクグループの子会社で携帯通信のシェアで国内3位。連結対象に加わった、LINEヤフーの1万2481人が入ったことも大きかった。飽和状態にあるキャリア事業を軸にしつつも、キャッシュレスサービスのペイペイに注力するなどして、再成長を目指している。
3位のパソナグループは、人材派遣や委託・請負業務の人数が多かった。ランキングで上位となったのは、2020年5月期の開示で集計対象を見直した結果が大きい。同様の開示となった2020年5月期から最新時点までの4年間では5201人増加している。
6位のクボタは2022年4月にインドのトラクターメーカーエスコーツを買収したことによる増加分が大きかった。農業機械の本場であるインドでの成長も期待されている。
上位企業は企業再編や集計範囲の見直しで、企業規模を拡大させたことで、非正社員と従業員を増加させた例が多かった。規模拡大は成長性や競争力を強化させる一方で、単純な合算では人員増加によるコスト負担も増えてしまう。再編による相乗効果で、人員増加に伴う追加コストを上回る企業成長が続けられるかが問われている。
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