「ゴヤの名画と優しい泥棒」に学ぶ矜持とユーモア 英国のウェリントン公爵肖像画盗難事件を映画化

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2月25日から公開の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、1960年代に起きたゴヤ作の肖像が「ウェリントン公爵」盗まれた事件をモデルに描かれた作品だ(東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら) ©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

ロンドンの中心部に位置するトラファルガー広場。この広場に面し、「美の殿堂」といわれるロンドン・ナショナル・ギャラリー(国立美術館)で、1961年、ゴヤの絵画の盗難事件が起きた。犯人は年金暮らしのタクシー運転手。正義感の強い彼は、孤独な高齢者の生活を助けるために、その絵画の身代金として、公共放送BBCの受信料を無料にせよと要求する。しかし、実はその事件の裏にはとある真相が秘められていた――。

2月11日(金)~13日(金)に独占オンライン試写会を実施します(上記画像をクリックするとオンライン試写会応募画面にジャンプします)

2月25日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開予定の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、200年近い美術館の歴史の中で唯一にして最大の事件 「ウェリントン公爵の肖像画盗難事件」に隠された実話を、ユーモアを交えて描き出した感動のドラマ。

主演のケンプトンを演じるのは、『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を獲得したジム・ブロードベント。仕事はすぐにクビになるようなトラブルメーカーでありながらも正義感に満ちあふれて、どこか憎めないチャーミングな男性を魅力的に演じている。その妻ドロシーを演じるのは『クイーン』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したヘレン・ミレン。脚本を読んで「恋に落ちた」という彼女は、時に暴走してしまいがちな夫の行動にやきもきしながらも、そんな彼を大きな愛で包み込む妻を好演している。

絵画展示すぐに盗み出される

物語の舞台となるのは1960年代のイギリスの北東部の工業都市・ニューカッスル。第2次世界大戦以降、主幹産業だった鉄鋼・造船業が衰退し、失業や人口減少など、深刻な不況に陥っていた。そんな中、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが、イギリス政府から一部支援を受け、ゴヤが描いた肖像画「ウェリントン公爵」を14万ポンド(約2100万円)で落札する。

この絵画のモチーフとなったウェリントン公爵は、1815年のワーテルローの戦いでナポレオンを打ち破った国家的英雄。そんな話題性もあり、この絵画は鳴り物入りでロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されることとなった。

だが、その絵画は展示から19日後にあっさりと盗み出されてしまう。その巧妙な手口から、プロの窃盗団によるものではないかと世間は大騒ぎとなった。

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