1月24日イタリア大統領選に市場が注目するワケ 政治的安定の要であるドラギ首相に退陣のリスク

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国家元首である大統領は儀礼的な存在とされるが、議会の解散権や閣僚の任命権を持ち、一定の政治的な影響力を発揮してきた。2018年のポピュリスト政権誕生時には、ユーロ離脱を唱える閣僚候補の任命を拒否したほか、2019年のポピュリスト政権崩壊時には、コロナ禍の総選挙を回避するため、連立の組み換えで主導的な役割を演じた。

大統領選の投票は無記名で行われ、630名の下院議員、315名の上院議員と終身議員(現在は6名)、58名の地域代表の約1000名が投票権を持つ。3回目までの投票では有効投票の3分の2以上の支持を得た候補がいれば選出され、4回目以降の投票では過半数の支持を得た候補が選出される。投票は通常1日2回行われるが、コロナ禍の感染予防の観点から、今回は1日1回行うことが予定されている。

無記名投票で思惑が交錯、時間かかり、想定外も

各党は候補者を一本化するのが一般的だが、無記名投票と政治的な思惑から、過去の選出投票では白票や棄権票も多く、想定外の人物が大統領に選出されることも少なくない。第2次世界大戦後の12回の大統領選挙のうち、初回投票で決まったのはわずか2回、投票が10回以上となったことも4回あり、最多は23回に及ぶ。

あらかじめ立候補者を募って投票を行う通常の選挙とは異なり、選出手続き中に新たな候補が浮上することや、初回投票ではほとんど支持を集めていなかった候補が最終的に大統領に選出されることもある。

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