1月24日イタリア大統領選に市場が注目するワケ 政治的安定の要であるドラギ首相に退陣のリスク
最近の世論調査では、ドラギ首相を後継大統領に推す声が圧倒的に多い。ドラギ首相は今のところ自身の進退について明言を避けているが、「(首相の座に)誰が就こうとも仕事を続けられる条件を整えた」と述べ(2021年12月27日付け日本経済新聞朝刊)、大統領就任に含みを持たせる発言も聞かれる。投票日が迫る18日にはマッタレッラ大統領、大統領選出投票を取りまとめるロベルト・フィコ下院議長と相次いで面会し、出馬に向けた動きとの見方もある。
ドラギ首相以外の候補者は支持を得るのが難しい
現地メディアではドラギ首相以外にも複数の大統領候補の名前が挙がるが、いずれも決定打に欠ける。
シルビオ・ベルルスコーニ元首相が出馬を表明し、同氏が率いる中道右派政党の「フォルツァ・イタリア」に加えて、右派系ポピュリスト政党の「同盟」や「イタリアの同胞」が支持するが、過半数に届く見込みはない。同氏は出馬の取り止めを検討していると伝えられる。左派系候補として名前が挙がるパオロ・ジェンティローニ元首相、独立系候補のマルタ・カルタビア司法相も、広範な支持を得るのは難しい。
現在の議会構成を考えた場合、右派・左派・中道を横断して幅広い支持を得られる人物でなければ大統領に選出されることは難しい。24日に投票が始まり、投票を繰り返しても過半数の支持を得られる人物がいない場合、改めてドラギ首相を大統領に推す声が高まる可能性がある。
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