「スマートウォッチ」、正しい発展の道とは? "腕時計らしさ"を追求すると隘路に
実はベルリンで9月上旬に行われた国際的な家電製品の展示会である「IFA 2014」では、スマートウォッチがちょっとしたブームだった。このブームは2013年から続いており、多様な企業が腕時計型のデバイスに取り組んでいる。サムスン電子はGalaxy Gearシリーズ、LGエレクトロニクスはG Watchシリーズといった具合に、とくに韓国勢が力を入れている。
加えてグーグルは開発者向け会議で「Android Wear」を発表。これはAndroid搭載スマートフォンと連動するよう作られたウェアラブル端末向けAndroidで、これによってスマートウォッチ開発の参入障壁が大幅に下がったことも、盛り上がりの背景にある。
ソニーはもっとも早い時期にスマートウォッチを製品化し、独自に基本ソフトを開発してAndroidスマートフォンと連動させていた。しかし、今回のIFAで発表したSmartWatch 3では、ライバルの発売からはやや遅れたものの、最新バージョンのAndroid Wearを搭載して製品化されている。
スマートウォッチの4つの役割
スマートウォッチの基本的な機能とは何だろうか。(時計としての機能を除くと)4つ程度に集約できるように思う。通知、簡易閲覧、応答、センサーだ。
まず通知の機能。たとえばメールやSMS、SNSの返信が届いた場合や、予定時刻の接近などを知らせる。Android Wearの場合、Google Glassで導入された”カード”と名付けられた情報セットを決まった形式で時計に送る。スマートウォッチ側はそのカードが届くと利用者に通知したり、ディスプレイ上でその情報を整理して見せるわけだ。
2点目の「簡易閲覧」は、通知を受けた情報に腕時計を通じてアクセスし、小さいながらも備えられたディスプレイによって、スマートフォンを使わずに情報を閲覧する。前述のAndroid Wearの例でいえばカードをいかに整理して表示するか?という部分となる。
3点目が、通知された情報に対し、その場で応答する機能。Facebookで見た情報に”いいね!”を付けるといた単純なものもあれば、メールやSMSを音声入力で送信するといったものもある。スマートフォンを取り出すまでもない応答ならば、スマートウォッチでやってしまえばいいということだ。音声キーワードでの検索などにも対応する。
4点目が、センサー型ウェアラブルデバイス機能である。万歩計、活動量計などで、中には心拍計を備えてスポーツトレーニング効果や健康管理の改善につなげることができる。
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