「居心地の良さを求めて」女装バーに集まる人たち 新宿二丁目「女の子クラブ」の大晦日を取材
コロナ禍における新宿二丁目の年越し
午後10時半過ぎ、地下鉄の新宿三丁目駅で下車して、北東の出口に向かう。地上にあがると、そこはもう二丁目エリアだ。冷気がマスク上の目元にぶつかってくる。手元のスマホを見ると、気温1度だった。
花園通りを東に歩くと、歓声が聞こえてきた。バー前に数十人の人だかりがある。「2022 HAPPY NEW YEAR」とある飾りつけの前で、全身金色姿と赤髪の2人がダンスを披露していた。
少し先のそば屋前には、年越しそばを求めて十数人ほどが行列を作っていた。
二丁目エリアの大部分をグルグルと歩いてみたが、店先まで人があふれていたのは、先のバーと蕎麦屋の2カ所のみ。
外から覗ける1階店舗には客がいるが、カウンターやテーブルでおさまっている。
筆者はコロナ前にも、二丁目の年越しを取材に来たことがある。そのときは、アルコールを手にした客が多数、店から外にあふれ出ていた。コロナ前のため皆マスクなし。真冬の寒さをものともせず、笑顔で歓談する姿が記憶にある。
コロナ禍の年越しを実感しながら、午後11時前に目的の雑居ビルについた。エレベーターボタンを押して、4階に向かう。