「居心地の良さを求めて」女装バーに集まる人たち 新宿二丁目「女の子クラブ」の大晦日を取材

拡大
縮小
女の子クラブ」の看板には、「誰でも入りやすい女装サロンバー」と記されていた(2021年12月31日/富岡悠希撮影)
この記事の画像を見る(6枚)
コロナ禍で二度目の年越しとなった2021年12月31日の大晦日夜。感染対策に気を配りながら、各地でイベントが開かれた。性的少数者や女装愛好家らが集まる東京・新宿二丁目も、コロナ前は賑わった場所の1つ。「みんなの実家」をうたう女装サロンバーを訪問して、「自分を出せる場所」を求める人たちの話を聞いた。(ジャーナリスト・富岡悠希)

コロナ禍における新宿二丁目の年越し

午後10時半過ぎ、地下鉄の新宿三丁目駅で下車して、北東の出口に向かう。地上にあがると、そこはもう二丁目エリアだ。冷気がマスク上の目元にぶつかってくる。手元のスマホを見ると、気温1度だった。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

花園通りを東に歩くと、歓声が聞こえてきた。バー前に数十人の人だかりがある。「2022 HAPPY NEW YEAR」とある飾りつけの前で、全身金色姿と赤髪の2人がダンスを披露していた。

少し先のそば屋前には、年越しそばを求めて十数人ほどが行列を作っていた。

二丁目エリアの大部分をグルグルと歩いてみたが、店先まで人があふれていたのは、先のバーと蕎麦屋の2カ所のみ。

外から覗ける1階店舗には客がいるが、カウンターやテーブルでおさまっている。

大晦日の夜、東京・新宿二丁目のバーではお客らがあふれていた(2021年12月31日/富岡悠希撮影)

筆者はコロナ前にも、二丁目の年越しを取材に来たことがある。そのときは、アルコールを手にした客が多数、店から外にあふれ出ていた。コロナ前のため皆マスクなし。真冬の寒さをものともせず、笑顔で歓談する姿が記憶にある。

コロナ禍の年越しを実感しながら、午後11時前に目的の雑居ビルについた。エレベーターボタンを押して、4階に向かう。

次ページ「女の子クラブ」の年越し
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT