「居心地の良さを求めて」女装バーに集まる人たち 新宿二丁目「女の子クラブ」の大晦日を取材
「自分はこういうものだと受けいれられつつあるので、自分のスピードで進めていけばいいかなと」
こう打ち明けた口調には、強い覚悟が感じられた。
スタッフと客が和気あいあいと初詣
同じく性自認に迷いを抱えている会社員のヤスさん(24歳)も取材に応じた。来店は3回目。関西方面にある実家への帰省でなく、二丁目で年末を過ごすと決めた。
口紅、アイシャドーを施したヤスさんの姿は、かなり中性的。ヤスさん自身の認識は「体は男性だけど、心は男性と女性との真ん中ぐらい」。恋愛では、男女どちらも対象になる。
アキさんと同じく、自分のアイデンティティーを家族には、はっきりと打ち明けていない。
その分なのだろうか。女の子クラブは「居心地がよく、実家みたいな感じ」だと語った。
1月1日午前1時半、店のスタッフと客25人ほどが初詣に向かった。目的地は歩いて10分ほどの所にある「花園神社」だ。
気温はさらに低下して、零度ぴったりに。「寒い、寒い」とつぶやく一行は肩を寄せ合うようにして歩いた。
入口に着くと、みんなで記念写真におさまる。その姿は実に和気あいあい、ほのぼのした様子だった。
新宿二丁目全体では、集まった人の数はコロナ前に比べると、かなり少ないに違いない。
それでも、その年越しには、コロナ前と変わらぬ連帯感があった。
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