仕事が進まない!「電話とメール」即対応は不要だ 電話はオワコン?時間泥棒からいかに逃げるか

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メールも四六時中チェックする人がいます。まるで暇さえあれば冷蔵庫をのぞく人のように、暇さえあればメールを見る人です。受信したら、すぐにわかるように、ポップアップなどを設定にしている人もいます。見れば、返信したくなるものです。

しかし、いちいちメールチェックと返信をくり返していると、そのたびに集中力が途切れます。その結果、作業効率が落ちて肝心の仕事が進まなくなります。まさに他人に振り回されている状態です。

ですからメールも見る時間を決めて、まとめて処理しましょう。私の場合は、朝9時、12時半、17時と1日3回しかメールを見ないことにしています。そして、見たらその場ですぐに返信してしまいます。あとで返信しようとためてしまうと、忘れる場合もあるし、「あのメール、どこだっけ?」と探す手間も出てくるからです。

だからメールは見たら、即、その場で返す。その習慣をつけておくといいでしょう。チェックと返信の一連の作業に割く時間はそれぞれ30分と決め、それを一日の時間割に組み、その時間内に終わるように心がけています(もちろん、例外はあります)。

「1時間以内に返信」は都市伝説

一方で、メールは受け取ったら1時間以内に返信するのがビジネスマナーだという人がいます。しかし、私はほとんど〝都市伝説〞だと思っています。そんなに常時メールをチェックし、返信していたら、仕事に集中できません。

『すぐ動けない人のための時間割仕事術』(朝日新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

文章もなるべく短くすることを心がけましょう。長く書いても読んでもらえません。そっけない感じにならないかと心配する人もいますが、仕事ですからベタベタする必要はないでしょう。どうしても気になる人は、カスタマイズしたひと言、例えば「今日は雨ですね」とか「朝から寒いですね」など「今日」だとわかる言葉をつければ十分だと思います。

最近はみなさんツイッターやLINEやメッセンジャーなどでコミュニケーションを取る機会が増えているので、あまり長いメールも時代遅れです。

先ほど電話は〝昭和のメディア〞と言いましたが、メールは〝平成のメディア〞です。そう考えると、LINEやツイッター、メッセンジャーなどのSNSは、いまのところ〝令和のメディア〞といえるかもしれません。時代に応じたメディアを効率的に使いこなし、非効率な古いメディアの比重を下げていくようにしましょう。

藤井 孝一 経営コンサルタント、アンテレクト取締役会長

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ふじい こういち / Kouichi Fujii

1966年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。大手金融会社で営業・マーケティングを担当。その間、中小企業と起業家の活動をサポートする経営コンサルタントとしても活動、3年間の二足のわらじ生活を経て、独立する。とくに、かつて「副業」とひとくくりにされてきた「在職中から、お金をかけず、低リスクで始める起業スタイル」を「週末起業」と名付け、その普及に東奔西走。「起業したいが、リスクが怖い」と考えるビジネスパーソンたちから支持される。この活動を加速させる目的で2003年『週末起業実践会』(当時は『週末起業フォーラム』)を創設。2万人を超えるビジネスパーソンに起業を指導し、多くの起業家を生み出す。

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