「アイドル」がビジネスに効く5つの理由 ちゃんとした40代になるためアイドルに学ぶべき

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経済学は、煎じ詰めれば、人の活動の諸法則を、それが金銭をいかに獲得するかのゲームと考えることで解明しようという学問です。しかし、アダム=スミスもわかっていたように、人間の行動原理は収入の最大化だけではありません。人は感情の動物であり、どう働くか、何を消費するか、そうした選択は感情の支配下で行われます。両者を止揚(アウフヘーベン)しようとするところに、感情の制御指針としての道徳論も、そのかぎりで合理的な経済論も論じられるわけです。こうした感情論も加味した経済活動の分析は、長い間、「経済学」よりも「経営学」の方が真摯に取り組んできたのかもしれません。

アイドル国富論いう言葉の中には、「アイドル」を通じて社会心理を考えながら、それを前提とした合理的な経済運営の方向性を考える「国富論」であろうという思いがあります。そして、それは単に政治家や官僚のために書いたものではなく、いえ、むしろ、日々、仕事に邁進しているビジネスマンのために書いた本でもあります。

あらゆる社会現象は社会の動きを反映している!

おそらく、読者の中には、「アイドル」なんてバカげたもので何がわかるのかとお思いの方も多いでしょうし、逆に、自分がまだ10代や20代の頃にアイドル時代を経験しているからこそ、アイドルのことなんて他人に教えてもらう必要はない、という向きもいると思います。

そうかもしれません。でも、ちょっと反論させてください。

まず、あらゆる社会現象はその向こうにある社会の動きを反映したもので、バカにすることはできません。別に『妖怪ウォッチ国富論』とか『ニコニコ動画国富論』とかを書いてもいいのですが(というと編集さんから書けと言われそうで困るのですが〈苦笑〉)、そうした中でも「アイドル」は格別大きな動きです。

「アイドル戦国時代」というのは2010年の言葉ですが、それから4年、「アイドルの時代」は廃れるどころか、むしろ過熱しています。当時はAKB48かせいぜいモーニング娘。くらいしか知らなかったオジサンたちも、今やSKE、MNB、HKTといったAKB48の姉妹グループや、ももいろクローバーZ、さらにはでんぱ組.INC、「千年に一人の逸材」と呼ばれた橋本環奈を擁するRev.from DVL、レディー・ガガもオープニングアクトに指名したBABY METALなど、さまざまな名前を耳にしていると思います。もちろん、ジャニーズをはじめとした男性アイドルも健在です。

そして、このアイドルが、1980年代の私たちオジサンが若い頃応援していたアイドルとはまた違うのです。圧倒的に元気、圧倒的に高いダンス能力、圧倒的にうまい歌(これは人によります)で、まぁ80年代のおニャン子クラブとは雲泥の差なのです。

はっきり言います。40代以上のオジサンは、あえて現代のアイドルにはまらないかぎり、現代のアイドルはわかっていません。そして、現代のアイドルがわからなければ、40代としてちゃんとした仕事はできません(40代より上の年代の人ならなおのことです!)。

その理由を4つにまとめてみます。

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