共通テスト直前「現代文」悩む人に教えたいスゴ技 今からでも習得できる正解の根拠を探す方法

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多くの受験生は、この「ズバリ法(っぽいこと)」と「消去法(っぽいこと)」を、何となくゴチャ混ぜで使っているから、正解率が上がってこないのです。まずは「①ズバリ法」だけで解く。そこへ「②消去法」をかぶせる。ズバリの要素をきちんと押さえているからこそ、「消去法」もスムーズに実行できるのです。この順序は徹底的に守ってください!

③比較法=迷っている選択肢の「違い」を見つけ、本文と参照する攻略法!

最後に繰り出す、究極の攻略法です。最後の最後に2つの選択肢で迷ったとき、「どっちがイイか?」とか「どっちを消すか?」ではなく、「どう違うのか?」という視点に切り替えます。あなたが迷っている選択肢は、必ずどこかが違います(完全に同じだったら、むしろ両方×です)。その「違い」の部分にこそ、正解へのカギが隠されているのです。

「比較法」のポイントは“頭の切り替え”です。押さえたズバリの要素も一旦忘れ、「早く当てなきゃ」という焦りも沈め、両選択肢の「違い」を見つけることだけに集中しましょう。

全体を交互に3往復するイメージで見比べる

コツは、丁寧に1回ずつ読むのではなく、全体を交互にパッパと3往復するイメージで見比べることです。すると、全体の「決定的な違い」が浮かび上がってきます。それを押さえたら、最後は必ず「本文」に戻って最終確認! くれぐれも、「選択肢」と「自分の頭」の二者面談にならないように注意です。

―比較法の『スゴ技』―
細部にこだわらず、両選択肢の「決定的な違い」を押さえよう!

ところで「カバ」とは、どんな生き物でしょうか。体長は3~4m。体重は1.5~4t。時速40kmで走る。口は150度開き、かむ力は約1t。赤い汗をかき、しっぽを回して糞をまき散らす。

『最短10時間で9割とれる 共通テスト現代文のスゴ技』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

……「カバ」を単独で説明するのはなかなか大変ですが、例えば「イヌ」と比べたら「デカいほう」でOK。逆に「ゾウ」と比べたら「小さいほう」だし、「サイ」と比べたら「角が生えてないほう」、「ヒツジ」と比べたら「毛むくじゃらじゃないほう」?

両選択肢の「決定的な違い」というのは、「対照的な相違点」を見つけることだと考えてください。あくまで「隣と比べてどうか?」という視点こそが、「比較法」の本質です。共通テスト現代文で9割を超えるためには、絶対に習得してほしいメソッドですから、自信がつくまで何度も何度も練習してください。

「①ズバリ法」「②消去法」「③比較法」=「3段メソッド」、いかがだったでしょうか? 具体的な問題でメソッドを確認し、しっかり身に付けることができれば、おのずとスピードは上がってきます!

皆さんが、3段メソッドを使いこなし、「共通テスト現代文で9割とれる」ことを願っています。

宮下 善紀 RGBサリヴァン現代文講師

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みやした よしのり / Yoshinori Miyashita

京都市出身。横浜国立大学教育学部美術科卒。大学時代は劇団を主宰。さらに漫才師を目指すも、なかなか壁を突破できず。そんな中、時給が良いからと続けていた塾講師の楽しさを抑えられなくなり、国語一本で生きることを決心。東進ハイスクール、代々木ゼミナール等の教壇に立つ。代ゼミでは、国語科で4年連続アンケート1位を獲得。現在は学内予備校RGBサリヴァンを拠点に、現代文・小論文、さらには「ビジネス文書講座」から「中学受験(御三家クラス)」まで、幅広く節操なく「国語」の指導にあたる。

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