内需伸びない根底に規制 政治に任せず民で解決を--ローソン社長CEO 新浪剛史
──提携戦略が相次いでいます。ドラッグではマツモトキヨシ、調剤ではクオールと提携していますね。
ユニークなコンビニになるためには、アライアンス(提携)が必要です。その際、組む相手にないものを持っていたほうがコラボ(協力)しやすい。その点、大型コンビニ同士は補完するものがなく非常に難しい。
私どもは薬の売り方を知らないし、相談にあずかることもない。調剤薬局は処方箋を基にコンサルティングするが、こうした商品を介したコミュニケーションは、専門性が低いコンビニでは比較的少ない。異業種から学ぶことはたくさんある。
マツキヨさんと一緒に店を出していくとすると、100坪以上の大型店になるだろうし、調剤薬局をナチュラルローソン中心に展開していけば、高齢化社会を支えるネットワークになっていくかもしれない。
──高齢者をターゲットとした場合の店作りや商材は、どのようなものをイメージしていますか。
糖尿病の食事を例に取ると、重度の領域をやろうとは思っていないし、福祉の世界に入るつもりもない。いかに予防していくかという点でやれるのではないかと考えている。糖尿病の患者向けの食事を開発しても、ローソンでは売れないが、調剤薬局が入ったファーマシーローソンならイメージに合う。日常食べる物で、ミールソリューションを提供するのが役割だと思っている。
中国は出店地域拡大し10年間で1万店目指す
──中国展開では上海に加え、内陸の重慶に独資で出店しました。
上海に出店してもう14年になる。利益が出ていることは成果と言えるが、店舗のクオリティは大幅に落ちている。改装の時期が非常に遅かったり、現地のパートナーとコミュニケーションができていなかったりなど反省がある。ただ昔は、パートナー側はメンツを重視していたが、最近はリターンにこだわるなどコミュニケーションしやすくなった。改善できるのではないかと考えている。