結婚生活数年後、彼は同居していた実母が不治の病にかかったときも、節子さんが促して運転して連れて行かないと、自分一人では進んで絶対、自分の母親の見舞いに行きません。節子さんは内心、夫が母親に良い感情を持てなかった余程の理由があるのかもしれないと考えたそうです。
それからさらに数年後、節子さんは言いました。「自分の母親に薄情だった人は妻にも薄情だということが判ったの。要は何でも、してもらって当たり前で自分から与えることを知らない人なの」。
何度も離婚を考えたそうですが、そこは夫婦。自分が何かを尋ねても無視されるのは、半分は悪意ではなく彼の性格であることを理解したのです。薄情だったり生活を楽しくしようとする意欲のない彼の欠点に目をつぶり、何かを尋ねかけては言葉を飲み込み、一人で勝手に答えを想定したり決定して、暮らしを進めたそうです。何一つ問題は起こらなかったといいます。
韓流ドラマがつないだ夫婦仲
20年前からその夫の「健さん」は、何かの番組の録画に熱心になりました。本人が重い病気で入院中も、節子さんに病院まで迎えに来させて、番組が途切れないように帰宅して続きを録画しVHSテープは数百本になっていました。「健さん」のことを大っ嫌いになっていた節子さんは、それが何の番組なのか、または代わりに録画しておこうかなどとは絶対に言いません。ただ黙って(異常な熱心さを軽蔑しながら)送迎しました。
テレビで韓流ドラマが流行した時、遅まきながら私たちグループもその面白さに気付きはまったところ、「健さん」のVHSがすべて韓流ドラマだったことが判明したときの節子さんと私たちグループの驚いたことったら!
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