今は第2次世界大戦の起点、「1937年」と類似 金融危機後、長期にわたって失望する世界

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フリードマンは、経済成長の低迷が不寛容、攻撃的なナショナリズム、そして戦争を引き起こしてきた多くの例を紹介している。そして、「生活水準の引き上げに価値があるのは、単に生活を向上させるだけでなく、人々の社会的、政治的、そして究極的には道徳的な特性の形成に影響するからだ」と述べている。

私たちは欲張りすぎか

経済成長の重要性を疑問視する人もいる。彼らの多くは、私たちは欲張りすぎだ、余暇を増やしてもっと質の高い暮らしを楽しむべきだ、と言っているのだろう。彼らは正しいのかもしれない。

しかし問題の核心は、人々には自尊心と社会的比較の傾向が見られる点にある。経済成長が平和と寛容を促す、という希望の根底にあるのは、過去の人々と今の自分とを比較する癖だ。

東部ウクライナでのロシアの行動に制裁を科せば、ヨーロッパの内外で景気後退を引き起こしかねないマイナス面がある。景気が後退すれば、ロシア人もウクライナ人も不満を感じるようになる。

国境を越える侵略行為には、何らかの制裁が必要だ。しかし極端な手段や懲罰的な手段を取ることに伴うリスクには、常に留意しなければならない。制裁を終わらせる合意をまとめ、ロシア(そしてウクライナ)をもっと世界経済に溶け込ませ、そしてこれらのステップを経済拡大政策と結び付けるのが、最も望ましい。現在の紛争を満足できる形で解決するには、相当の努力が必要だ。

週刊東洋経済2014年9月27日号

ロバート・J・シラー 米イェール大学教授

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Robert J. Shiller

ノーベル賞受賞経済学者。1972年にMITで経済学のPh.D.を取得。「資産価格の実証分析」を評価され、2013年にノーベル経済学賞を受賞。2000年に刊行された『投機バブル 根拠なき熱狂』は、アメリカのITバブル崩壊を予言した書としてベストセラーとなった。同じくノーベル経済学賞を受賞(2001年)したジョージ・A・アカロフとの共著『アニマルスピリット』も、サブプライムローンに端を発する金融危機を理解する書物としてベストセラーとなった。著書に『それでも金融はすばらしい』『不道徳な見えざる手』(アカロフとの共著)など。

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