今は第2次世界大戦の起点、「1937年」と類似

金融危機後、長期にわたって失望する世界

フリードマンは、経済成長の低迷が不寛容、攻撃的なナショナリズム、そして戦争を引き起こしてきた多くの例を紹介している。そして、「生活水準の引き上げに価値があるのは、単に生活を向上させるだけでなく、人々の社会的、政治的、そして究極的には道徳的な特性の形成に影響するからだ」と述べている。

私たちは欲張りすぎか

経済成長の重要性を疑問視する人もいる。彼らの多くは、私たちは欲張りすぎだ、余暇を増やしてもっと質の高い暮らしを楽しむべきだ、と言っているのだろう。彼らは正しいのかもしれない。

しかし問題の核心は、人々には自尊心と社会的比較の傾向が見られる点にある。経済成長が平和と寛容を促す、という希望の根底にあるのは、過去の人々と今の自分とを比較する癖だ。

東部ウクライナでのロシアの行動に制裁を科せば、ヨーロッパの内外で景気後退を引き起こしかねないマイナス面がある。景気が後退すれば、ロシア人もウクライナ人も不満を感じるようになる。

国境を越える侵略行為には、何らかの制裁が必要だ。しかし極端な手段や懲罰的な手段を取ることに伴うリスクには、常に留意しなければならない。制裁を終わらせる合意をまとめ、ロシア(そしてウクライナ)をもっと世界経済に溶け込ませ、そしてこれらのステップを経済拡大政策と結び付けるのが、最も望ましい。現在の紛争を満足できる形で解決するには、相当の努力が必要だ。

週刊東洋経済2014年9月27日号

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