ゴミからセメントを造る、ゴミ処理場問題に光明

拡大
縮小


 すでにセメント1トン当たりの廃棄物・副産物使用量は448キログラム(2008年度、セメント協会統計)になっている。セメントの約半分はゴミからできている計算だ。

中でも特に量が多いのが、高炉から出るスラグ、火力発電所から出る石炭灰、下水処理場から出る汚泥など。畜産・食肉産業から出る肉骨粉も原燃料になる。新日本製鉄など高炉系のセメントメーカーも多いが、こうしたメーカーはセメントで利益を上げることより、廃棄物処理が主目的。セメント産業は日本経済を支える「静脈産業」といえるのだ。

ゴミがセメントにリサイクルできるということで、冒頭の日高市は02年11月、太平洋セメント埼玉工場に収集したゴミの処理を委託した。

全国で多くの自治体が、ゴミのリサイクル(資源化)のためゴミ分別を厳しくしており、市民の負担は重い。ところが日高市では、02年12月から逆にゴミ分別を緩くしている。容器リサイクル法により飲料用の金属缶、ガラス瓶、PETボトルは別途リサイクルするが、それ以外の生ゴミ、紙・プラスチック類、欠けたガラス・陶磁器などはまとめて収集する。市民の分別負担も軽い。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT