穀物価格急騰の余波、異常気象で悪夢再来か 

世界的な猛暑の影響で穀物相場が揺れている。中でも目立つのが小麦高だ。ロシアが干ばつの影響で12月末までの小麦輸出禁輸措置を発表すると急騰。8月6日には米シカゴ商品取引所で約2年ぶりに1ブッシェル8.41ドルの高値をつけ、その後も7ドル近辺で推移しており、通常価格から4割程度値上がりしたままだ。

もともと農産物市場は規模が小さく、金融危機以後、株式市場の低迷などから投機マネーが流入することで乱高下しやすい状態にある。2007年にも不作などで価格がハネ上がり、世界的な食糧危機に発展。日本でもパンや菓子など食品メーカーが値上げを余儀なくされただけに、危機再来が危ぶまれている。

ただ、今回は実需が安定しているため、07年より影響は小さいとの指摘もある。「輸出量の多い米国や豪州は豊作のうえ、EU(欧州連合)も輸出量を拡大している。ロシアの減少分を補完する動きがあるため一時的な高騰にすぎない」(穀物商社・ユニパックグレインの茅野信行社長)。

実際、米農務省が8月12日に発表した10~11年度の世界の小麦在庫率は26・3%で、07~08年度の水準よりも高い。日本の主要な輸入先である米国に至っては39・9%と、07~08年度の約3倍にも上る。加えて、ロシアや東欧の小麦は低品質のため日本にはほとんど出回っておらず、日本での影響は少ないという見方も多い。

こうした中、小麦を多く使うパンメーカーも「今回は07年ほどの大きな変化につながらない」(山崎製パン・飯島延浩社長)と冷静に構える。

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