穀物価格急騰の余波、異常気象で悪夢再来か 

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油脂価格も高止まり

一方、頭を抱えているのが油脂メーカーだ。油脂の主要原料である菜種、大豆はすでに昨年から上昇傾向にある。大手のJ:オイルミルズでは昨年から今年3月までの価格上昇を受け、7月に約3%の値上げに漕ぎ着けたばかり。が、小麦価格上昇につれて大豆、菜種価格が一段と上昇。「今回の値上げではさらなる価格高騰まではカバーできずコスト吸収は不可能」(J:オイルミルズ)と落胆する。

小麦の場合、年に2回政府が国際相場と連動させ製粉会社への売り渡し価格を決めるため、相場変動の影響は受けにくい。だが、油脂は相場変動が直撃するうえ、価格転嫁が難しく利益が乱高下しやすい。結果、日清オイリオグループとJ:オイルミルズの4~6月期決算では前年同期比3割以上営業減益。通期も大幅減益の公算だ。

穀物価格に左右される食品メーカーからは「自給率の低い商品では消費者が高騰分を負担するべき」という本音も漏れる。ただ、デフレ下で安易な値上げは難しいだけに、厳しい局面を迎えている。

(麻田真衣 =週刊東洋経済2010年8月28日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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