利益倍増!『メンズクラブ』V字回復の理由 90分のイベントで1000万円が動く!
先日も、読者約60人 を集めた某ラグジュアリー・ブランドのイベントで、総額約1000万円の商品が売れました。「ラグジュアリーブランドが好きな読者」「セレクトショップが好きな読者」という感じでターゲットを絞って人を集めているため、実現できる数字です。いくら「消費の停滞」と言われている時代でも、おカネをある程度持っていて、ブランドが好きな人にちゃんと届ければ、人はモノを買うのです。
イベントは、僕らが読者の声を吸い上げるうえでもとても有効です。「君たちの煩悩は何? 何が欲しい?」ということを、ダイレクトで聞くことができますから。
――某ラグジュアリー・ブランドからの広告出稿が、業界一の伸び率だとか?
はい。クライアントさんのあることなのでブランド名は言えないのですが、ある世界のトップブランドからの最近の出稿伸び率は、『MEN’S CLUB』が1番だと聞きました。「あそこの雑誌に出すと売れるぞ」となれば、海外本社のトップもOKを出す。ほかのモード誌やラグジュアリー誌ではなく、あえて『MEN’S CLUB』 を選んでくださっています。
60年間変えない原則「リアリティ」「コスパ」
――60周年を迎えるそうですね。ここまで支持されてきたいちばんの理由は何だと思いますか?
変えたことばかりお話しましたが、先輩方から受け継いで、60年間、絶対に変えていない部分もあります。それが「リアリティ」です。『MEN’S CLUB』が提案するのは、単なる「海外のトレンド」ではありません。トレンドを「日本人に似合う形で提案する」。これが僕らのこだわりです。
『MEN’S CLUB』の読者は、80%がビジネスマン。会社にコスプレみたいな格好で行くわけにはいかないですから、「最先端」であることよりも「使える」ことのほうが大事なのです。
――雑誌にとっては読者よりもクライアントのほうが大事なのでは?
もちろん、クライアントは大事です。でも、読者であるビジネスマンのリアルな感覚、「コスパ」を無視している雑誌が多すぎるな、と思います。たとえば30万円のカシミアのニットを掲載して、誰が買うのでしょうか? ファッション業界にいる僕だって、そんな高級品は手が出ないですよ。編集長が買わないもの、編集部員が買わないものは掲載しない。それが読者への信頼につながります。
先日、こんなことがありました。60周年記念で「トッズ」の別注バッグを作ったのです。20万円を超える商品で、まだ画像もアップしていないうちから8個も注文が入った。これには僕らも驚きました。「え、まだどんなバッグがわからないけど、大丈夫?」と(笑)。これこそが、『メンクラ』と読者の信頼関係だなあと思って、とてもうれしかったですね。
※後編に続く
(撮影:尾形文繁)
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