フェイスブック超えか?アリババ奇跡の物語 中国に「アメリカンドリーム」を持ち帰った男

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大学入試には2度失敗。教育大学にやっと入って、その後、母校で英語の講師を5年務めた。すでにその頃から起業精神を持ち合わせていて、翻訳会社を立ち上げたり、医薬品販売の会社を作ったりしていた。

ひょんなきっかけでアメリカへ出かけた際に、「インターネット」というものを見せてもらったのが、彼の運命を左右することになる。その後、中国へ戻って、イエローページのようなサイトを立ち上げたが、これは中国の最初のインターネットサイトだったと言われる。

サイトをアップロードするときには友人やメディア関係者を集めた。高速接続もなく、電話回線でホームページを半ページアップロードするのに3時間以上もかかった。その間、彼らは食べ、飲みながら待った。

その後、マーは企業のためにウェブサイトを立ち上げるビジネスを経営したり、投資関係の政府部門に所属したりして、着々とアリババへつながる道を歩いて行く。

流暢な英語に独特のマーケティング力とビジネス感覚。マーがアリババを創設してから、ゴールドマンサックス、ソフトバンク、そしてヤフーなどから大きな資金を集めるのに、あまり時間はかからなかった。昨年、アリババが仲介した取引は2480億ドル。中国を代表するビジネスだ。

マーは今、中国の環境や食の安全に関心を持っているという。その面でも、彼の実行力に期待が集まる。

=敬称略=

瀧口 範子 ジャーナリスト

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たきぐち のりこ / Noriko Takiguchi

フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄・観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち:認知科学からのアプローチ』(テリー・ウィノグラード編著)、『独裁体制から民主主義へ:権力に対抗するための教科書』(ジーン・シャープ著)などがある。

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